最近どうもパソコンの調子が悪い・・・ そんな時は「スパイウェア」の侵入を疑え!

パソコンの動きが悪くなる原因は様々で、例えば、周辺機器の変更を重ねて古いドライバが残っている、常駐ソフトが増えてメモリの容量に余裕がない、大量のデータが保存されてハードディスクの空き容量が少ないなどなど、この他にも考えられる要因はたくさんある。ウイルスなどの悪意のあるプログラムがいたずらして不調になっていることも考えられ、この場合、最悪のケースではパソコンが使用不可能に陥ることもある。今回は、そういったプログラムの一種「スパイウェア」を見てみる。
スパイウェアには2種類の性質のものがある
スパイウェアとは、インストールされていることや動作していることに気付かない状態で、自動的にパソコンの中から情報を送信するプログラムのことを言う。スパイウェアのすべてが悪質なものというわけではなく、明らかに情報を盗み取ることを目的として、ユーザー名やパスワード、メールアドレスといった個人情報を送信する機能を持つものもあり、インターネットに接続しているパソコンにとっては怖い存在といえる。
スパイウェアは、「インストールしたソフトウェアに組み込まれているもの」、「知らないうちに自動的にインストールされてしまうもの」の2種類に分類できる。このうち、インストールするソフトウェアに組み込まれている場合には、そのソフトウェア会社に利用状況や障害情報などを送信することを目的としていることが多く、個人情報を収集することが目的ではない。この場合のほとんどは、インストール時の使用許諾に情報を送信する機能を組み込む説明が記載されている。
しかし、インターネットで公開されているものをダウンロードした際に、知らないうちにインストールされてしまうタイプや、ホームページを閲覧しただけでダウンロードされてしまうタイプ(アクティブXなど)のスパイウェアについては、自分のパソコン内のどんな情報が誰に対して送信されているかということさえ分からない。ブラウザの履歴を追跡して個人情報を勝手に収集したり、ポップアップ広告を表示する、クレジットカード番号を盗み出すなど、被害の軽いものから深刻なものまで様々な種類があり、大量のスパイウェアに侵入されることで、パソコンが不調になる可能性がある。
このようなスパイウェアから防御するために、スパイウェアを除去するためのソフトウェアが登場している。一般的な総合セキュリティソフトでは、ウイルス対策機能、パーソナルファイアウォールに加えて、スパイウェアの除去機能を搭載したものもあるため、これらのソフトウェアを導入するのは必須。加えて、スパイウェア専用の対策ソフトを導入すると、より効果的だ。
セキュリティソフトを最新版にすることが必須
最新のセキュリティソフト、例えば「ノートン インターネットセキュリティ」や「ウイルスバスター」にはスパイウェア対策機能が搭載されている。もし、今使用しているセキュリティソフト古いものなら、まずは最新のものにバージョンアップすることをおすすめする。ただし、これだけでスパイウェア対策が「100%大丈夫」とは言い切れない。そこで、スパイウェアに特化したソフトを併用すると、より効果が高まる。ここでは、悪質なプログラムが侵入するのを予防するフリーソフト「スパイウェアブラスター」を見てみる。
前述のセキュリティソフトの「リアルタイム監視」に似ていて、このソフトは感染したスパイウェアを除去するのではなく、悪質なホームページからのアクティブXの侵入を防ぎ、クッキー(Cookie)の追跡によるパスワードの漏えいを遮断する効果がある。定義ファイルを更新する以外にはソフトを起動する必要がなく、パソコンの動作速度が低下しないというメリットがある。ただ、英語表記なので、苦手な方には少々抵抗があるかもしれない。
スパイウェアを駆除するソフトを併用し効果的に対策
上記の対策をとったにもかかわらず、スパイウェアに侵入されると、パソコンの動作が遅くなるなど、何らかの不調が引き起こされる可能性がある。もし、気になる症状がある場合には、原因となっているプログラムを駆除するしかない。前述の通り、最新のセキュリティフトの中には、スパイウェア予防・駆除の機能が含まれているものもあるが、1本のソフトですべてのスパイウェアを駆除できるとは限らない。
そこで、日々増え続ける新種のスパイウェアに対抗するには、スパイウェア駆除ソフトを併用するとよい。前述の「スパイウェアブラスター」はパソコンの動作をリアルタイムで監視し、スパイウェアの侵入を防ぐ「常駐型」。既にハードディスクに潜んでいるスパイウェアをスキャン(検知)して駆除する「非常駐型」として「スパイボット サーチ&デストロイ(Spybot Search & Destroy)がある。
この「スパイボット サーチ&デストロイ」は非常駐型のソフトでは、フリーソフトながら高い駆除率を誇る。日本語表示に対応しているので操作しやすく、総合セキュリティソフトのリアルタイム監視機能とも併用できるのでオススメだ。この他にも様々なスパイウェア対策ソフトが存在するので、好みのものを見つけてみるといいだろう。

どこでも閲覧! 迷惑メールを遮断! ウェブメールの併用で快適メール受信

いつでも、どこでもメールをチェックしたいと思ったことはないだろうか。また、毎日毎日の迷惑メールにうんざりしていないだろうか。そういった方に朗報! パソコン、携帯電話、そしてウェブメールの併用で悩みを解決し、便利さを増すことができる。今回はウェブメールの活用を見てみよう。
パソコンでも携帯でも、ほとんどの方が何らかの形でメールを利用しているだろう。とても便利な連絡手段だが、煩わしさや不便な面もある。パソコンメールの場合は、メールソフトを起動しないと受信できないことや、ウイルスの心配が挙げられる。外出した場合はパソコンから離れることになるので、タイムリーな受信、閲覧は不可能となる。こうした不便さを解決してくれるのがウェブメールだ。
ウェブメールとはブラウザ上で送受信を行うメールサービスで、大手のポータルサイトで展開されているためご存知の方も多いことだろう。メールソフトでの送受信に慣れてしまっている方にとっては、ウェブ上でメールのやり取りをすることに少々抵抗を感じるかもしれないが、前述の不便さを解決してくれるとともに、もしパソコンにトラブルが発生しても、別のパソコンからメールのチェックができるという安心感がある。
別枠に紹介したウェブメールサービスはどれも大容量で、ウイルス&迷惑メール対策、外部メールの受信、携帯電話での利用など同じような機能を備えている。そこで、ここでは「Gmail」を例に2つの便利機能を見てみよう。
外出先からの閲覧ツールとして活用
インターネット環境が整っているところならば、どのパソコンからでも閲覧可能なウェブメール。携帯電話でもアクセスできるので、外出先でもメールチェックが可能だ。ちょっとした合間に、受信したままのメールを読みこともできるし、緊急な要件であれば、もちろんその場で返信可能。同じアドレス宛のメールをパソコンと携帯の両方で閲覧できる環境を作っておくと、何かと便利だ。
閲覧できるのはGmailで取得したアドレス(×××××@gmail.com)だけではなく、外部のメールアドレス宛もOK。Gmail場合は、最大で5つの外部メールを受信することができる。ショップ用、プライベート用など、複数のアドレスを使い分けている方は、それぞれを登録しておこう。また、分類しやすいようにラベルをつけることができ、各アドレス宛に届いたメールを振り分けられる。注意点は、「受信したメールのコピーをサーバーに残す」設定にしておかないと、Gmailで受信後にメールソフトで受信できなくなるので気をつけておこう。
迷惑メールフィルターとして活用
迷惑メールに悩まされている方はかなり多いはず。ショップのホームページ上にメールアドレスを公開するのはいいものの、それが収集され、迷惑メールが送付される原因のひとつとなっている。また、掲示板やブログにアドレスを書き込むことで収集されるケースもある。最近のセキュリティソフトはウイルス対策のみならず、スパムメール対策も強化され、またプロバイダーやレンタルサーバー側でも対策をとっているところが多いが十分でないケースも見受けられる。そこで、かなり高い確率で遮断してくれるGmailの迷惑メールフィルター機能を使うとよい。
これは、前述の外部メールを受信させた場合にも有効だ。ただ、迷惑メールフィルターとして使うにはひと工夫必要で、大まかに2通りの方法がある。
1つ目は、メインのアドレス宛に届いたメールをGmailのアドレスに転送し、Gmailのアドレスあてに届くメールをメールソフトでも受信できようにしておく方法。メインのアドレスに転送機能があることが前提となる。
もう1つは、Gmail上で外部メールとして受信したものを、Gmailのフィルター機能を使って別のアドレスに転送する方法。こちらは複数のアドレスを持っている方に有効な方法だ。
どちらもそれほど難しい設定は必要ないが、文章では分かりにくい面もあるので、別枠を参照していただきたい。
主なウェブメールサービス
●Gmail
http://gmail.com
最大5つまでの外部メールを受信可能。優れた迷惑メールフィルターに注目。
●Yahoo!メール
http://mail.yahoo.co.jp
通常の容量は1GBだが、会員の種類によって最大2GBとGmailなみに。
●Windows Live Hotmail
http://hotmail.msn.co.jp
5GBという大容量で、ファイル保存スペースとしても十分活用できる。
●livedoorメール
http://mail.livedoor.com
Gmailのシステムを導入し機能は申し分なし。アドレスは×××××@livedoor.comになる。
●gooメール
http://mail.goo.ne.jp
容量は2GBで十分。機能も他社と変わらず、ウイルスやスパムにも対応している。
Gmailを迷惑メールとして使う方法
ポイントは「一度Gmailを経由(通過)させる」ことだ!
●その1
メインのアドレス側でGmailのアドレスに転送するよう設定(プロバイダーやレンタルサーバーで転送できるか確認)

Gmailに転送されたメールは迷惑メールフィルターにかけられる

パソコンのメールソフトでGmaiのアドレス宛のメール受信できるよう設定

フィルターにかけられた後のメールのみ受信可能
●その2
Gmailでメインのアドレス宛のメールを受信できるよう、外部メールの受信設定をする

Gmailで受信した外部メールは迷惑メールフィルターにかけられる

受信後の外部メールを「サブのアドレス」に転送するよう、Gmailで設定する

パソコンのメールソフトで「サブのアドレス」宛のメールを受信

フィルターにかけられた後のメールのみ受信可能

今や携帯用ページが不可欠に! いくつかある中からベストな方法で作成しよう

電話やメールといった連絡ツール、またはインターネットを使った情報収集ツールとして不可欠な携帯電話。これがなくては仕事にならない、生活できないという人も多いことだろう。パケット定額制や検索エンジンの導入でパソコン並にインターネットを活用できるようになったものの、ホームページ運営者側で携帯に対応したページを用意していないケースがまだまだある。そこで今回は、携帯用ページの追加について見てみよう。

携帯での閲覧を考慮することが不可欠に

身の回りを見て既に感じているだろうが、携帯電話によるインターネットの利用率はここ数年で急速に高まり、サイトの閲覧、ショッピング、ブログやSNSの更新など、当たり前のように活用されている。パソコンや携帯電話などあらゆるインターネット接続機器を含んだインターネットの利用者数は平成18年末で8754万人。うち、携帯端末からの利用者数は7086万人と、すでにホームページ運営は携帯での閲覧を無視できないものとなってきているのだ。
携帯各キャリアがヤフーやグーグルといったモバイル用検索を導入したことで、携帯電話でもパソコン用ページを簡単に閲覧できるようになった。これは、検索エンジン側でパソコン用ページを携帯での閲覧に最適になるように変換してくれるためで、非常にありがたい。しかし、パソコンでの閲覧と全く同様に見ることはできない。試しに、自店のホームページを検索して見てみよう。表示が崩れ、大きな画像は表示されず、ほとんどのページサイズが携帯での容量をオーバーするため、1ページがいくつかに分割されてしまう。こうしたことからも、別途携帯用のページを設置しておくほうがユーザーにとっては親切である。

携帯用ページの追加方法は様々

こうして携帯電話によるインターネットの利用状況が分かったところで、携帯用ページの導入を見てみる。まずはホームページ作成ソフトの利用。すでに自身でホームページを開設している方なら、それほど難しくないはず。ただ、携帯電話での閲覧に適したルールがあるので、それを踏まえた上での作成が必要だ。それについては後述する。
次に無料のサービスの利用。無料のサービスといっても様々なものがあり、携帯対応の掲示板やブログ、携帯用ページ(携帯サイト)そのものを作成できるものもある。ホームページ内にすでに掲示板を設置しているならば、携帯対応の掲示板を追加するか、または切り替える方法が考えられる。
何かしら携帯用のページを追加したら、既存のホームページにリンクを貼るのはもちろんのこと、QRコードも表示させておこう。QRコードの作成はいたって簡単。QRコード作成サイトでURLを入力すれば画像が生成されるので、それをパソコン内に保存してホームページで使用すればよい。

携帯用ページの作成は小さくシンプルに

携帯用のページを作成する際のルールを大まかに見てみよう。携帯電話の画面は小さく限られているため、画像のサイズや1ページ当たりのファイル容量など、いくつか制限がある。使用する画像やロゴのサイズは横幅240ピクセル以下に収めるといいだろう。このサイズ以上の画面を有する携帯電話は少ないため、あまりにも大きい画像は無意味となってしまうほか、無駄にページ全体のファイル容量を大きくしてしまうことにもなる。パケット代にも大きく影響してくるので、画像の作成には注意が必要だ。
この他、パソコン用ページではタブーとされる半角カナは、逆に積極的に使用したい。もちろん全角でもOKなのだが、文字数を稼ぐ、ファイル容量を少なくする観点からも半角カナの使用は有効だ。半角英数の使用にも同様のことが言える。また、携帯電話の機種によって変わるが、1行当たり文字を考慮し、見出し等は全角10文字程にすると良いだろう。
この他にも使用するHTMLタグやCSSの対応、絵文字の使用など、各キャリアによって仕様が異なることから、全てのキャリアで同じ様に表示させるとなると、かなりの制約が出てくる。ポイントは凝った内容にせず、シンプルなページ作りに徹することだ。

ブログや携帯サイト作成サービスの活用

以前、同コーナーでもご紹介したブログの活用。パソコンでの閲覧をメインとしたものでも、自動的に携帯での閲覧に適したフォーマットに変換してくれる無料ブログサービスもある。もし、これからブログの活用も考えているなら、「携帯対応」をうたっているブログサービスを選ぶといいだろう。携帯からの投稿はもちろんのこと、携帯用のテンプレートが別に用意されていたりと高機能になっている。選択のポイントはパソコン、携帯の両方での管理画面の使いやすさだろう。いくつかのブログサービスにと登録してみて試してみるとよい。
 また、携帯サイト作成専門のサービスもある。ホームページ作成ソフトを使うことなく、ブログと同様にブラウザ上で携帯用ページを作成できるので、インターネット環境が整っているパソコンがあれば、どこでも更新作業ができる。こちらも、いくつかのサービスを試してみるのがベストだ。
 効果的なのはブログと携帯サイト作成サービスを併用すること。既存のホームページの内容を要約し、携帯サイトを作成。ショップからのお知らせなどはブログを使って、パソコンと携帯の両方から閲覧できるようにしておき、ホームページ、携帯サイト、ブログをつなぎ合わせると良いだろう。

携帯シミュレータで表示確認

作成した携帯用ページは携帯シミュレータ(別枠参照)を使い、どのように表示されるか確認するといいだろう。各キャリア用が用意されているので、下記のキーワードで検索するとダウンロードページが見つかる。画像はソフトバンクの「ウェブコンテンツヴューア」
・iモードHTMLシミュレータⅡ
・au Openwave SDK 6.2K
・ソフトバンク ウェブコンテンツヴューア

ショッピングカートの活用で一歩進んだホームページ運営

今やインターネットショッピングでは欠かせないショッピングカート。「買い物かごに入れる」「カートに入れる」といったボタンをクリックし、配送先等を入力すれば注文完了という、一連の流れをサポートする機能のことだ。ユーザー側はもちろんのこと、ショップ側も面倒な商品販売・管理作業を省力化できるのでとても便利。今回は、その導入と活用方法を見てみよう。

ショッピングカートの種類

どれも同じように見えるショッピングカートだが、導入方法には様々な種類がある。本格的なものでは、ネットショップ機能を強化したレンタルサーバーのサービス。有料になるがショップを丸々構築できるメリットがある。利用料は月額いくらというタイプや、月間の売上額に対して数パーセントといったタイプがある。インターネットに接続されているパソコンであればどこでも管理画面にアクセスできるので、ショップと自宅の両方でバックヤード管理することが可能だ。
ショップの構築という点では、ネットショップ作成ソフトも販売されている。自分のパソコン内でショップを作成し、データをサーバーにアップロード。バックヤード管理機能も備え、オリジナリティ溢れるショップ作成が可能だ。こちらはインストールしたパソコンでのみの管理となるので、利用者、利用場所を制限される。
手軽に導入できるのは、無料のショッピングカートサービス。無料とはいえ、有料のものを変わらない充実した機能を備えているものがある。また、ホームページ作成の知識があれば、フリーのプログラム(CGI等)を使い、既存のホームページ内に商品購入ページを設けてもいいだろう。すでにオリジナルパーツ等の紹介ページがある場合は、そこに「買い物かご」ボタンを挿入するだけで済む場合もある。
どれを選択するのがベストかは、現在のホームページ運営情況により変わってくるので、色々な角度から吟味するといいだろう。

ショッピングカートの導入

ショッピングカートにも様々な種類があることを確認したところで、実際の導入方法を見てみよう。有料のサービスやネットショップ構築ソフトは別として、ここではフリーのプログラム(CGI等)や、一番手軽で簡単に利用できる、無料のショッピングカートサービスを例にとってみる。
まずCGIだが、こちらは、すでにホームページ上に商品紹介ページを設けている場合に有効。ソース(コード)を貼り付けるだけで、大幅な手直しをせずとも商品ページにショッピングカート機能を備えることができる。ただし、CGIを使うにはHTMLやCGI等プログラムの知識が必要で、ソフト任せでホームページを作成した方には少々難しいかもしれない。また、使用しているレンタルサーバーやプロバイダーが提供するホームページスパースによってはCGIの利用や設置制限もあるので、確認が必要となる。
次に無料のショッピングカートサービスはどうかというと、FC2ショッピングカート( http://cart.fc2.com/)なら、ユーザー登録をするだけで本格的なネットショップをスタートさせることが可能。商品登録、送料、決済方法、発送方法の設定も簡単で、自動返信メール機能も備え、面倒な商品販売作業をだいぶ省力化できる。ネットショップ初心者であれば、まずこういった無料のサービスで運営に慣れてからステップアップしてもいいだろう。こういったサービスを利用する場合、URL(ドメイン)は、自店のものとは全く別になってしまうので注意が必要となる。

ショッピングカートの活用

ショッピングカートを使う最大の目的は、ショップで取り扱っているバイク、パーツや用品等を販売すること。車両となると販売価格が高く、中古車は個体差があるので、「買い物かご」に入れて購入まで結びつくことは難しいが、中古バイクサイトへの登録と併用することで、在庫車両のPRには十分効果がある。また、売約済みとなった場合の表示の切り換えや、登録データの削除も簡単なので、検索エンジン対策として導入しない手はない。
また、商品を販売するだけでなく、無形のサービスを販売することにも使えるだろう。例えば、「こちらで事前にお申込の方は割引。限定1名様」としてオーバーホールやペイントサービスなどを登録。自店が得意としている作業やサービスのPRにもなり得る。
また、工夫次第では走行会などのイベント参加受付にも使えるだろう。期間限定で2週間前までの申し込みは20%オフ、1週間前までは10%オフなどとすれば、一定の集客効果はあるだろう。電話やFAX、メールや郵送などで申し込み、現金で参加料の支払いが一般的だろうが、クレジットカード払いでの申し込みを可能にしたり、代引で参加受理書を発送するなど、集金手段を増やせるのもメリットだ。
工夫次第では様々な用途に使えるショッピングカート。自店のホームページの充実化に取り入れてみてはいかがだろうか。

キャプション
パーツ検索画面。この画面からはショップの詳細情報へ移動できる他、お問い合わせメールを送信できるのはすでにご存知だろう。商品説明内に自店のホームページへのURLを表示するなど、上手にショッピングページに誘導することで、購入確率を高めることができる。自店のホームページと双方に掲載することで、少しでも目に止まる機会を多くするという狙いもあり、検索エンジン対策としても多少有効だろう。

ショッピングカートの例
ショッピングカート機能の表示例。普段、何気なく見ている「カートに入れる」「買い物かごに入れる」といったボタンが表示されたページは、カート機能が導入されている証。知識があればフリーのCGIやPHPといったプログラムを利用することで、同じドメイン内にショッピングページを設けることが可能となる。ただし、レンタルサーバーによってはCGI等の利用が制限されていることもあるので、事前に確認が必要だ。

FC2ショッピングカート
無料で利用できるショッピングカートサービスとしてFC2ショッピングカートをご紹介。無料だがネットショップ開設に必要な機能を十分備え、携帯サイトにも対応。クレジットカード決済にも対応しており、初心者から本格的にネットショップを運営したいという人まで使える優れものだ。こうしたオンラインのサービスは、ネット環境さえ整っていれば、ショップでも自宅でも作業ができるところがメリット。試しに使ってみるといいだろう。

CGIを利用する場合の注意点

  • 契約しているプロバイダーやレンタルサーバーで独自CGIの利用が可能かどうか確認
  • ソフト任せでホームページを作成している方は、HTMLやCGIなどプログラムの勉強が少し必要
  • 本格的な導入の前に、テスト運用でしっかりとプログラムが動くかどうか確認

上にCGIを利用する場合の注意点をまとめてみた。ショッピングカートのCGIを見つけるには、CGI専門の検索サイトが便利。「CGI-Search」や「CGIZOO」といったサイトを見てみよう。

落札相場データを上手に使うエクセルの基本ワザ! ピボットテーブル+α編

前回はオートフィルタとピボットテーブルについて述べたが、今回はピボットテーブルについてもう少し触れてみる。落札相場データに限らず、エクセルに溜め込んだデータを集計・加工するのにピボットテーブルはとても重宝するので、少々難しいかもしれないが、是非ともマスターしていただきたい。

ピボットテーブルのおさらい

まず、簡単にピボットテーブルの機能をおさらいしておこう。ピボットテーブルは大量のデータを集計するのに便利な機能で、落札相場データを加工するにはうってつけと言える。
ダウンロードしたデータを用意したら、画面上部のメニューから「データ」→「ピボットテーブルとピボットグラフ レポート」をクリック。ウィザードに従って進んでいくと、新しいワークシートにピボットテーブルの枠が用意される。行、列、データそれぞれに項目をドラッグすることで、簡単に集計できるというわけだ。前回の例では、行のフィールドに「車名車種」、列のフィールドに「総(合評価点)」、データアイテムに「(落札)金額」をドラッグし、評価点ごとの平均落札金額を見てみた。
ただ、これだけでは全メーカー、全排気量が混ざった状態で表示されるので、少々見難い面がある。そこで、まずは「メ(メーカー)」を行のフィールドの「車名車種」の前に入れてみよう。すると、メーカーごとに車名が分類される。この手順で、「排気量」などを加えていくと、さらに分類されて見やすくなる。

ピボットテーブルの便利な機能

ピボットテーブルが便利なのは、この集計機能だけではない。前述の例の、行のフィールドに「車名車種」、列のフィールドに「総」、データアイテムに「金額」が設定されている状態で、金額が表示されている部分をダブルクリックしてみよう。すると、そこが「マジェスティ250C」だった場合、マジェスティ250Cのデータだけが抽出された新しいワークシートが追加される。特定の車種だけを見たいときには、「オートフィルタ」を使ってデータを集合させる方法もあるが、ピボットテーブルからのほうが簡単だ。
また、見出し部分にある「▼」ボタンから、データを絞り込むことも可能だ。「▼」ボタンをクリックするとリストが表示され、チェックすることでデータ表示のオン・オフができるようになっている。オートフィルタでも特定車種や排気量だけのデータを集合表示させることができるが、あくまでも「データの集合」。ピボットテーブルは「集計結果の集合」が可能なので、例えば、全メーカーの250ccクラスの平均単価を見るといった使い方ができる。

ピボットグラフで視覚的に見やすく

例えば、マジェスティ250Cの評価点比率を円グラフで、平均相場の月別推移を折れ線グラフで、会場別の落札台数比率を棒グラフで見たり・・・と、数字が並んだ表組みよりも、グラフのほうが視覚的に見やすい場合がある。そんなときは「ピボットグラフ」を使う。
あらかじめピボットテーブルで、マジェスティ250Cの平均落札金額などを出しておく。そして、ピボットテーブルのツールバーで「ピボットグラフ」をクリックすると、新しいシートにグラフが作成される。作例では、低値、平均、高値の開催日による推移を折れ線グラフで表示させてみた。単月ではなく年間のデータを使用し、関数で開催日を「月」に変更した上で同様のグラフを表示させると、年間の月別推移がわかり、1年のうちでどの時期が高値、低値になるのか一目瞭然となる。
グラフ上では、フィールドリストから項目を横軸やデータにドラッグすることで、簡単にグラフの内容を変更することが可能。また、ベースとなっているピボットテーブルを変更すれば、グラフも自動的に変更される。

ちょっと高度な「アクセス」も

複雑な関数も併用することで、例えば「この相場なら、買い取り価格はこれ、下取り価格はこれ」といった設定、算出や、さらに深い統計、分析も可能なエクセル。単に落札相場データから直近の相場を見るだけなら、前述の通りピボットテーブルを使うことができるようになれば、グンと集計作業がはかどる。また、エクセルで物足りなくなってきたとう方には、一歩進んで、同じマイクロソフトのデータベースソフト「アクセス」を使うという手もある。こちらは、大げさな言い方になるが「システムの構築」作業が必要になるので、それなりの時間と知識が不可欠。日常業務をこなしながらアクセスでの作り込みは難しいかもしれないので、よほど好きな方ならご自身で、または知識のあるスタッフに任せるなどして活用してみるといいだろう。
今まで数回に渡って落札相場データの活用について述べてきたが、ショップによってデータの使い方は様々だろう。しかし、説明してきたエクセルの使い方は応用できるので、その活用方法によって色々と試していただきたい。

(データの抽出1、データの抽出2)

ピボットテーブルでデータを集計した状態で、集計結果(ここではマジェスティ250Cの平均額)をダブルクリックすると、新しいシートにマジェスティ250Cのデータが抽出される。オートフィルタで集合させる方法もあるが、こちらも便利。

(レイアウト変更1、レイアウト変更2)

ピボットテーブルのツールバーの「レポートの書式設定」で、レイアウトを変更できる。モノトーンからカラーにもできるので見やすさが増す。作例は、メーカー、排気量で分類した各車種の相場を表したもの。

(ピボットテーブルの絞り込み)

ピボットテーブルの項目名にある「▼」ボタンをクリックするとリストが表示される。チェックのオン・オフで絞り込みが可能だ。250ccクラスだけの相場を見たいときは、全てのチェックを外してから、「250cc」にのみチェックを入れる。

(ピボットグラフ1、ピボットグラフ2)

ピボットテーブルでデータを集計し、ツールバーの「ピボットグラフ」をクリックすると、新しいシートにグラフが作成される。作例は、低値、平均、高値の推移を折れ線グラフで表したもの。

第3回オンロードミーティング in ヒーローしのいサーキット 2007年4月29日

ゴールデンウィーク前半の2007年4月29日(日)、栃木県のヒーローしのいサーキットにて、プロスホンダ太田(群馬県)、カスタムショップリファイン(埼玉県)合同主催による第3回オンロードミーティングを開催しました。2006年7月30日に開催した第2回と同様好天に恵まれ、栃木県宇都宮市の気温で24度と4月としては高い気温となり、絶好の走行会日和にたくさんのライダーが集結しました。

今回も、初級クラス、ミニモトクラス、中級クラス、上級クラスの4クラスを設定。事前申し込みの段階でそれぞれの参加台数は、初級クラス 12台、ミニモトクラス 7台、中級クラス 24台、上級クラス、24台の合計約70台。当日エントリーを含めると約80台が集まり、走行会としては少なからず多からず、ちょうど良い台数となりました。クラス分けの基準などは開催概要を見ていただくとして、午前中のフリー走行から順を追ってご紹介します。

受付、ライダースミーティングが終わると早速フリー走行スタート。初級&ミニモトクラス、中級クラス、上級クラスの3クラスに分かれて走行するので、午前中で20分×3本走行可能。受付時に配布される計測器をバイクに取り付けておくと、随時タイムが計測され、ラップタイム表もその都度張り出されるので、自分がどれくらいのタイムなのか、どれくらいタイムが上がっているかが一目瞭然。一緒に参加した仲間との差も分かりやすいので、タイム計測を一度経験すると病みつきになるかも?しれないです。

お昼ゴハンは持参不要! コース内に隣接する食堂(管理棟?)にはカレーやラーメンなどのセットものが数種類あり、どれを注文してもよいシステムになっています。もちろん参加費に含まれているのでご安心を。今回は昼食を挟んでOGA氏によるエクストリームバイクショーを開催(ホームページ:Moto Extreme)。派手なパフォーマンスの連続で、参加者からは「うおぉ〜 うおぉ〜」という声が絶えず漏れていました。こういう風にバイクが操れると、より一層バイクライフが楽しくなりそうです。

より安全に楽しんでいただくために、中級クラスはタイムアタック形式、ある程度テクニックのある上級クラスは模擬レース形式で行いました。スーパースポーツ、ネイキッド、モタード、往年のレプリカなど、様々なジャンルのバイクが同一に走って楽しめるのが、このオンロードミーティングの一番の特徴でもあります。「参加してみようかな!」と思っている、そこのアナタ。詳しい車種については、別掲載のエントリー一覧を参考にしてください。

模擬レース終了後は記念撮影を行い、そして表彰式へ。各クラスの上位3名に賞品が渡され(この賞品が笑える内容で、参加者だけのお楽しみ)、第3回のオンロードミーティングも無事終了しました。オフロードミーティング泥人(どろんちゅ)と合わせ、定期開催していく予定ですので、HPのチェックはお忘れなく!! 参加者のみなさんお疲れさまでした。次回もたくさんのご参加をお待ちしております。

いよいよ今年秋に本格導入か?! 二輪車ETCモニターレポート

ここ数年間に渡り、導入への検討や試験運用を続けてきた二輪車ETC。やっと今年に入り本格的な運用の兆しが見えてきた。ハイウェイカードが利用中止となり、バイクも含めETCを搭載していない車両のユーザーは、今まで通りの恩恵を受けることができなくなってしまった。こうしたことからも、早期の利用開始を望んでいたユーザーも少なくない。今回は、二輪車ETCモニターに選ばれた筆者のレポートを交え、これまでの経緯や問題点を見ていく。

いよいよ二輪車ETCの実用化が目前に迫ってきた。去る3月23日に国土交通省が発表したところによると、今年の秋から全国で使えるようになるとのこと。現在は、首都圏や近畿圏などでモニターによる試験運用中で、安全性や車載機の動作などを確認しているところだ。車載機の市販化が秋をめどにスタートすることに合わせて、本格的な導入となるようだ。

一般モニター募集までの概略

周知の通り、現在のETCシステムでは二輪車は対象外であり、バイクユーザーからはETCも含めた新たな料金支払い方法の開発を望む声が上がっていた。そこで、バイクユーザーの利便性の向上、クルマも含めた渋滞緩和効果、様々な料金施策の適用性の拡充などの観点から、国土交通省及び東日本高速道路株式会社等の関係機関は課題を検討してきた。

バイクユーザーの利便性の向上については、バイクの料金支払いは、停止し、手袋を外ししてから小銭やハイウェイカードを出すといった流れで、クルマでの支払いよりも時間がかかり、また面倒でもあり、ETCがバイクにも対応すれば、利便性は格段に向上する。

渋滞緩和効果については、前述の通りクルマよりも支払い時間がかかってしまうことから、料金所での渋滞の要因の一つにもなっており、これをクリアすることで渋滞緩和を期待できる。

新たな料金施策の実施については、現在の時間帯割引など各種の割引制度やマイレージサービスなど、今後も拡大しつつあるETCを活用した新たなサービスをバイクユーザーも利用できるようにする。

こうした内容を考慮し、まずは、現行のETCを利用したノンストップ方式と、非接触型ICカードを利用したタッチ・アンド・ゴー方式でのテストを実施。平成17年4月には首都圏でプロライダーによるモニター走行をスタートさせた。そして、半年後の同年11月、一般ライダーによるモニターの募集がスタートした。筆者もこの機会を逃すべくエントリーしてみたので、以下でその様子を述べていく。

申し込みから取り付けまで

インターネット上のニュースを見て、二輪車ETCの一般モニター募集がスタートしていることに気付いたのは11月2日。5000台限定とのことで、すでに1~2日経過しているためもう間に合わないかと思いつつも、とりあえずエントリー。エントリーは(財)道路新産業開発機構のホームページ内にある「自動二輪車ノンストップ自動料金支払システム試行運用」(http://www.mlit.go.jp/road/)から行った。募集にはもちろん条件があり(詳しくは上記を参照)、「東京・神奈川・千葉・埼玉に在住」、「バッテリーレス車両は取り付けできない」、「月2回以上対象料金所を通過」など、筆者は辛うじてクリアしていた。

 翌日の11月3日には一般モニターの募集が停止された。2~3日間で5000人以上の応募があったということは、それだけ関心が高かったと言える。しかし、事前に周知されていたかというと疑問符が付く。常に業界情報にアンテナを張っている筆者でさえも「たまたま」ネット上のニュースで気付いたので、おそらく他の応募者も同様だったのではないだろうか。

 11月12日、「モニター仮登録完了」のメールが届く。HP上でのエントリー後、それまで何の反応もなかったので、二輪車ETCモニター窓口から初の連絡となる。内容はモニターIDとパスワード、本登録までの手続きの流れだ。
理解度確認試験の受験
合格後、確認書、車検証、免許証の送付
モニター登録完了
車載器取り付け
モニター走行実施

この時点で理解度確認試験の準備はできておらず、整い次第メールにて連絡が来るとのことだった。

 12月3日、理解度確認試験の準備ができたというメールが届く。この試験はホームページ上で行えるようになっており、モニターIDとパスワードでログインし、早速受験する。一度目はマニュアルをよく読まずに受験したため不合格。何度でも受験できるため、今度はマニュアルを手元に置いた状態で受験し、無事合格した。

 その後しばらく連絡がなく、クリスマスイブの12月24日、書類と、腕章、カードサイズのモニター証明書が郵送されてきた。週明けの26日に確認書、車検証、免許証を返送する。同封の腕章とモニター証明書は、モニター走行する際に着用、携帯しなければならないとのことだった。

 年明けの2月5日、二輪車ETCモニター窓口から本登録完了のメールが届く。実は、この前日に取り付け店舗から直接連絡が入っていた。後日、一度車両を見た上で取り付け方法・場所を確認することになった。取り付け店舗は自宅から約12km離れた隣の市のBDS会員店でもあるスナガ輪業。モニター側から店舗指定できないため、遠くでは面倒だと思っていたが、比較的近い所だったので安心した。

 2月15日、スナガ輪業へ車両を持ち込む。ここで初めてETC車載器を見たのだが、防水・防振対策をしているためか予想以上の大きさである。筆者の車両はアフリカツインでシート下にもスペースがあるのだが、ここにカードを挿し込む本体を設置することは不可能なことが判明した。正確には、取り付けできないことはないのだが、バッテリーボックスのフタが開けられなくなってしまい、整備性が悪くなってしまうのだ。

 車載器本体は「鍵のかかる場所」への設置が義務付けられており、必然的にハードケース(リアボックス)の使用が不可欠となってしまった。(財)道路新産業開発機構でハードケースがオプション設定されていたが、これはあくまでも二輪車ETC車載器のためだけのものと言わざるを得ないようなものだったため、社外のリアボックスを購入することにした。この代金約2万5000円は自己負担となる。他の荷物も入り、仕事やツーリングにも使えるが、この出費は大きな負担となった。

 2月28日、リアボックスを取り付け、再度スナガ輪業へ車両を持ち込む。夕方には作業が終わり、車両と取りに行くと、ハンドル部に設置された大きなアンテナ部が目に飛び込んできた。車載器本体と同様、こちらもかなりの大きさで、ライディングには支障なさそうだが、目障りな感じは否めなかった。実際の作業についてスナガ輪業に聞いてみた。
「作業はそれほど難しいものではありません。この他に、当店ではビッグスクーターとPC800に取り付けましたが、こうした車両はカウル内へ配線を回さなくてはいけないので、その分手間はかかりましたね」

いよいよモニター走行体験

こうして、モニターに応募して約4ヶ月経過し、やっとバイクでのETC走行を体験することができた。その感想は、実にあっけないもので、クルマのETC走行に慣れているせいか、特に感動というものはなかった。便利なことは確かで、料金所で停止し、グローブを外し、バッグやポケットからカードや現金を出し、再度グローブをはめてスタート、という一連の流れがなくなったのは気分が良い。しかし、この裏には様々な制約や不便さも見えてきた。

 まず、これはモニター走行マニュアルでもわかっていたことだが、モニター走行できる高速道路と料金所が限られているため、カードの抜き差しが必要になること。筆者の場合、東北道から首都高を利用し東京都内や横浜方面へと行くことが多いが、現状では東北道での利用は不可となっているので、東北道の入口で通行券を取り、出口である浦和の料金所では通行券とETCカードを提出して清算する。つまり、今までと変わらないのだ。

 ETC走行ができるのは、この後の首都高なので、浦和料金所を出たところ、または首都高・川口料金所の直前でバイクを止め、エンジンを停止。キーを抜いてリアボックスを開け、ETCカードを本体に挿入。再度エンジンをスタートし、川口料金所をETCで通過するという流れになる。ETC通行できる部分を見れば、前述の通り便利なのだが、それに至るまでの作業が必要なため、トータルで見れば手間がかかっているほうが多いような気がする。

 首都高から東北道へというルートでも同様の作業が必要になり、1回の往復で何度もバイクを停めなければいけない状況なため、秋の本格的導入開始前に、少しでも早く対象区間を延長してもらいたいところだ。シート下に本体を設置したモニターでは、いちいちシートを外さなければならず、筆者以上に不便な思いをしていることだろう。タンデム走行をしている場合はなおさらだ。

現状ではやや進展あり

 3月13日の発表で、モニター対象期間が拡大された。(別図参照)それまでは首都高、東京外環道、第三京浜、横浜新道、京葉道路(一部)、中央道(一部)だったのに加え、東名の東京~厚木間が対象になった。関越、東北、常磐に関しては、記事執筆時点で未だ対象となっていない。

 さらに、冒頭で述べた今年秋の二輪車ETCの本格的導入を前に、ETCカードのみでの割り引きサービスやマイレージサービスがスタートした。これは、従来ETC車載器を通じた無線通行でのみ適用された割り引きサービスを、ETCカードを料金所で手渡して清算した場合にも適用するというもの。同様に、マイレージサービスの登録にはETCカードの他に車載器も必要だったが、ETCカードのみでの登録が可能となった。すでにクルマで使用しているETCカードがあり、そのカードでマイレージ登録が済んでいれば、そのまま適用される。

 首都圏を中心に話を進めてきたが、近畿圏や中部圏でも特定モニターによる二輪車ETC走行がスタートしている。首都圏のような一般モニターの募集はまだだが、順次開始されることだろう。また、首都圏でも「5000人の応募で締め切ったものの、1000人くらいのキャンセルが出ているようです。その分の再募集をするようなので、モニターになりたいユーザーはホームページをマメにチェックしたほうがいいですね」(スナガ輪業)という話も出ている。

 こうして着々と実用化に向けて準備が進められているが、車載器の取り付けの問題や、限定された通行レーンなど、問題はいくつかある。行政だけでなく、バイクメーカーやETC車載器の製造メーカーにも関わってくるが、アンケート結果にもあるように、二輪車ETCは「必要である」、モニター終了後も「是非利用したい」と、モニターのほぼ全員がETCの必要性が高いと考えている。さらなるバイクライフの快適さを求めるユーザーのためにも、秋の本格的導入を確実に実現していただきたいものだ。

二輪車ETCモニター応募条件

1.前提条件
●一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の方に限定。
●試行運用への参加にあたり、クレジット会社等が発行するETCカードの取得が必要(ETCカードを取得していない方は参加できない)。
●違法改造車への車載器の取り付けは行わない。

2.車載器の取り付けについて
●車載器の取り付けが可能なスペースが車内にあることが条件となる。車内に取り付けスペースのある車両の例については別表を参照(バッテリーを持たない車両など一部車両はETC車載器が取り付けできない。また、今回の試行運用ではサイドカーおよびトライクは対象外)。
●車内への取り付けが困難な車種については、「鍵付きのハードケースで着脱が容易に出来ないこと」を条件とし、外付けボックスを利用した取り付けが可能。ただし、ボックス購入費および取り付け費はモニター本人の負担。なお、別途専用ケースを用意しているので、希望者は取り付け店と相談。
●車載器の取り付けおよび取り外しのため、事務局が指定する取り付け店に対象車を持って来ること。取り付け店舗はモニター本人の希望に添うことが出来ない。
●車載器の取り付け時に、配線などの加工をする場合がある。また、車載器を取り外した場合には取り付けの跡が残る場合がある。
●車載器の取り付けについては、取り付け店舗および事務局が指定する方法での取り付けとなる。取り付け方法について、モニター本人の希望に添うことは出来ない。
●応募してから順次取り付けを行う。応募受付後、数ヶ月以上待つことがある。取り付け店が決定次第、事務局よりメールで連絡。
●車載器は登録した車両のみで使用可能。他の車両への載せ替えは出来ない。
●試行運用中は車載器を事務局より貸与。試行運用終了後に特に問題がなければ引き続き利用できる。
●車載器の貸与に関しては、モニター各位が管理責任を負うこととする。
●サイドカーおよびトライクは応募対象外。
●違法改造車についてはモニターとして認められないので、ETC車載器の取り付けは行わない。

3.走行方法の遵守について
●走行マニュアルおよびETC利用規定に従った利用をすること。
●試行運用においては、対象料金所(範囲、料金所のⅠ)を限定。対象とした料金所以外の走行は不可。
●マニュアルに従わない運用を行った場合の事故、トラブルおよびそれにともなう損害についてはモニターの責任。

4.試行運用への協力について
●期間中、対象料金所を一定回数以上通過。(月2回以上)
●試行運用中および運用後にアンケート調査に協力。(インターネット上で実施)
●試行運用の状況を分析するためにモニターの車両番号や通行履歴などの走行明細情報を利用する場合がある。(試行運用の状況分析以外の用途には利用しない)
●料金所通過時に通信エラー等の不具合(カードの挿し忘れ等の人為的なエラーはこれに含まれない)があった際には速やかにモニター窓口に連絡。
●その他事務局が指示する事項を遵守。
(以下、省略。内容は一部加筆しています。)

実録 二輪車ETCモニター応募から実走行まで

2005年11月1日 一般モニターの募集スタート
2005年11月2日 (財)道路新産業開発機構のHPよりエントリー
2005年11月3日 一般モニターの募集停止
2005年11月12日 モニター仮登録完了のメールが届く
2005年12月3日 理解度確認試験スタートのメールが届く。同日受験し、合格
2005年12月24日 書類、腕章、モニター証明書が郵送されてきた
2005年12月26日 必要書類を返送
2006年2月5日 本登録完了のメールが届く
2006年2月6日 取り付け店舗と連絡し、一度車両を見せに行くことに
2006年2月15日 取り付け店舗へ車両を見せに行く。シート下には収められないことが分かり、リアボックスを購入することに。
2006年2月16日 リアボックスを注文
2006年2月18日 注文したリアボックスが届く
2006年2月28日 再度取り付け店舗へ行き、ETC本体を装着
2006年3月7日 二輪車ETCでの初走行
※これはあくまでも筆者の例です

ETC本体
防水処理等のためクルマ用と比べかなり大柄なETC本体。左側のフタを開けてカードを挿入する
ETCアンテナ
ハンドル右側に取り付けられたアンテナとインジケーター。音や音声での作動状況確認はできない
アフリカツインのシート下
アフリカツインのシート下では大柄なETC本体でいっぱいになってしまい、ここへの取り付けは却下
リアボックス
ETC本体は「鍵のかかる場所」への設置が義務付けられているため、リアボックスを購入することに

いよいよ高速道路二人乗り解禁。マナーと技量を再認識させ安全なタンデムライディングを!

バイクユーザー、ショップ双方にとって記念すべき日がやって来る。2005年4月1日、道交法で禁止されていた高速道路二人乗りが、ついに解禁されるのだ。これでようやく、日本でも欧米型の長距離タンデムツーリングが可能になる。しかし、一般道とは違った高速道ならではの注意点があることをユーザーは認知しなければならないし、ショップが指導していくことも必要だろう。今回は、改めて高速での二人乗りを見つめ直してみたい。

高速道路二人乗り禁止から解禁まで

50代以降の方ならご存知だと思うが、我が国最初の長距離高速道路である名神高速道路が開通した1963年(昭和38年)当時、高速道路での二人乗りは禁止されていなかった。しかし、1965年(昭和40年)、事故多発を理由に禁止されてしまい、40年間に渡る規制のせいで、日本のバイクユーザーのほとんどは高速道路の長距離タンデム走行を知らないまま現在に至っている。その後、バイクの性能が向上し、制動能力、直進安定性が飛躍的に改善されても、暴走族、3ない運動など、バイクを悪とする世論があるため、高速道路二人乗り解禁が話題に上ることはなかった。
その後、二人乗り禁止・最高速など、高速道路にまつわる様々な問題を提起し、警視庁に高速道路の規制改善を求める要望書を提出する動きがあったのは90年代に入ってから。やがてこの運動は日本自動車工業会(JAMA)、全国オートバイ組合連合会などの業界関連団体にも波及し、大きな運動へと発展していくこととなる。
さらに、高速道路問題の解決は市場開放問題苦情処理対策本部(OTO)に持ち込まれ、日本の高速道路規制が外国製大型二輪車の輸入障壁になっているという視点での議論にまで発展した。
この問題は、国会でも民主党議員から法改正に向けて道路交通法の改正案が提出され、議員立法の動きが起こる。そしてその一方では、自由民主党オートバイ議員連盟が設立され、与野党の境なく政治レベルでの動きが始まった。2003年(平成15年)警察庁は高速道路二人乗りの走行実験を実施。その安全性が実証できたとして、2004年3月に内閣提出議案として道路交通法の改正案を国会に提出。同年6月、ついに可決成立するに至ったというわけだ。

今後、ショップがやるべきことは?

高速道路の二人乗り解禁は、ユーザー、バイクショップの双方にとって大きな朗報だが、単に喜んでばかりはいられず、今後のマナーが重要になってくるだろう。
前述の通り、1965年の規制開始から40年ぶりに、自動二輪車による高速道路の二人乗りが解禁となる。4月1日はユーザーはもちろんのこと二輪業界も待ち望んだ日である。条件付きとは言え、高速道路のタンデム走行が可能となるのは、様々な面において好影響を及ぼすに違いない。
実際の走行を考えると、一般道は歩行者、信号、交差点、対向車、交通混雑などなど、様々な悪条件が揃っているが、巡航速度は上がるものの、高速道路にはそういった要因は少ない。高速道路を利用すれば、一般道よりも安全に短時間で長距離ツーリングを楽しむことができるのは明白だ。
ゴールデンウィークに向け、すでに高速道路をルートに入れたタンデムツーリングを計画しているショップやユーザーも多いことだろう。一般道でも同じだが、二人乗りで事故を起こしたら、自分だけでなく同乗者も巻き込んでしまう。もし、高速道路上で二人乗りでの事故が多発したら、「やはり危険」と判断され、また禁止になってしまうことは間違いない。
ここで改めて、ライディングスクールや各メーカーが主催するタンデム試乗会のようなもので、タンデムライディングの難しさや、低中速域と高速域でのバイクの挙動の違いといったものを体験させるのも、ひとつのショップイベントとして盛り込んでみてはどうだろうか。ある程度バイクに乗れてきたユーザーは「自分は上手い」と錯覚しがち。同乗者もあわせ、タンデム特有のテクニックやマナーなどを再認識させることで、安全にバイクライフをエンジョイしてもらえるような配慮が必要になってくるだろう。また、車種ごとのタンデム向き不向きを理解させれば、代替促進にもつながるかもしれない。
4月1日からの二人乗り解禁は、社会から厳しい目で見守られていることを忘れず、ユーザーは安全運転のルールとマナーを守るに徹してもらうよう、ショップ側からもアドバイスしたいところだ。高速道路での二人乗りが社会に受け入れられてはじめて、今後の二輪車の存在の評価されていくことだろう。

アンケート調査結果

中古オートバイ買取専門店「バイク王」を全国展開するアイケイコーポレーション(加藤義博社長)は、高速道路二人乗り解禁などの法改正について昨年末、アンケート方式による意識調査を行い、その結果を発表した。この調査はユーザー700人に対して昨年12月に実施したアンケートを独自に集計したものだ。

Q 法改正により、二輪車の高速道路二人乗りが解禁されることを知っていますか?

知っている 知らない
男性 77.9% 22.1%
女性 61.2% 38.8%
全体 76.7% 23.3%

この質問に対して、知っている76.7%、知らない23.3%だった。アンケートに対象となるユーザーがバイク売却者ということで、二人乗りに対する認知度は一般社会の平均より高くなっているかもしれない。「知っている」の割合を多いと見るか、まだ不十分と見るかは意見が分かれそうだが、調査が昨年12月ということを考えると妥当な数字と言える。男女別での集計では、「知っている」と答えた男性が77.9%、女性が61.2%となっている。

Q 高速道路二人乗り解禁に伴い、タンデムライダーが増えると思いますか?

思う 思わない
全体 76.0% 24.0%

この回答結果が示すように、タンデムライダーは増加することが予想される。今まで2台で行ってたツーリングが1台でタンデムに、または、タンデムで近場のツーリングだったのが遠方にと、バイクの楽しみ方も変化するだろう。

Q 高速道路で一緒にタンデムしたい人は誰ですか?

全体の集計では、高速道路でタンデムしたい人は、夫(妻)28.8%、恋人26.7%、友達18.6%、子供13.1%などとなっている。世代別のデータでは「友達」が多数派となっているのは10代(39.1%)と20代(25.8%)の若者層。30代以降は10%強で推移しているのが特徴的だ。また男女別でもっとも差が出たのは「子供」の項目で、男性の13.2%に対し、女性は4.95という結果が出ている。

高速道路二人乗りの条件
● 年齢20歳以上
● 大型二輪免許または普通二輪免許を受けた期間が3年以上
● バイクの排気量は125cc以上

便利と危険は隣り合わせ。基本をおさえて安心してネットと付き合おう!

ADSLなどの常時接続環境が普及し、インターネットは欠かせないツールのひとつとなった。メールなら時間や相手の都合を気にせず連絡できるし、気の向くままHPで情報収集することも可能だ。ネット通販も当たり前になっている。
 ネットは便利な一方、危険な面もある。ウイルス、カード番号盗難、悪質なプログラム、不正侵入・・・などなど。こうしたネットの危険に対し、「メールソフトやブラウザのこの機能をオフにしよう」という解説を見たことがあるはずだ。危険の要因となる機能をオフにするのも一つの対策だが、その分パソコンの使い勝手が悪くなる。
 例えば、添付ファイルが原因でウイルス感染するからといって、添付ファイル付きのメールを開かずに捨てるわけにはいかない。「ウイルス感染や情報流出につながるブラウザの機能」をオフにすれば、多くのHPが見られなくなってしまう。
ウイルスがどのように感染するのかなど、その仕組みと対処法を知っていれば、むやみにソフトの機能をオフにする必要はない。今回は「ウイルス編」と「HP編」で、安心のネット利用法を紹介する。

ウイルス編

多くの人にとって、ウイルスは怖いというのが実感だろう。しかし、ウイルスの正体と、正しい対策を知れば、それほど恐れる必要はない。
 ウイルスの感染経路はメールが主で、被害はハードディスクのデータを破壊する恐ろしいタイプから、ただ単に感染だけが広がるタイプまで様々だ。
 メールの場合、必ず添付ファイルにウイルスが仕組まれているので、疑いがある添付ファイルを開かないようにすれば感染を防げる。最近のウイルスは、メールの件名や本文にうっかり開いてしまうような細工をしてあるものが多く、インターネット・エクスプローラ(IE)の不具合を悪用し、メール本文を見ただけで添付ファイルのウイルスを勝手に開くものもある。
 ウイルス対策はウイルスバスターやノートンをはじめとした「ウイルス対策ソフト」を正しく利用すればよいが、これに関しては以前同誌で取り上げた記事を参考にしていただくことにして、ここではさらに一歩進めて、ウインドウズ(WIN)とIEをよりウイルスに強い状態に更新する方法を見よう。万が一、対策ソフトのウイルス情報が古かった場合でも、かなりの確率で感染を防げるのだ。
ウイルスに強い状態にするには、セキュリティーホールを解消することがポイント。これは、ウイルスの標的になるプログラム不具合、イメージとしては隙間のようなものだ。メールをプレビューするだけで感染するウイルスも、IEのセキュリティーホールを悪用している。
IEはセキュリティーホールが多く危険と言われているが、マイクロソフト(MS)は、セキュリティーホールが発見されると、修正プログラムを作り、ネット上で無償配布している。例えば、プレビュー画面で感染するウイルスも、それが発見された半年前には修正プログラムが公開されていた。つまり、修正プログラムを組み込んでおけば、セキュリティーホールが解消し、ウイルスに強い状態になるのだ。
 修正プログラムを入手する方法にはいくつかあるが、通常はウインドウズ・アップデートを利用するとよい。これは、修正プログラムや追加ソフトを、一覧画面から選ぶだけで、MSのサーバーからダウンロードできる機能だ。「IE6」や「重要な更新パッケージ」、「重要な更新の通知」は必ずダウンロードしておこう。
 IE6をインストールすると、メールソフトのアウトルック・エクスプレス(OE)も最新版のOE6になる。ウイルスに感染する可能性を低くできる「添付ファイル制限」が新たに追加され、ウイルスの添付ファイルに多い、拡張子が「exe」などの実行形式ファイルが開けなくなる設定ができるようになっている。
 ウイルスとともに気になる不正アクセス。ショップや一般家庭でも常時接続が当たり前になっているので、不正アクセスと無縁ではなくなっている。
 一般のパソコンであり得る不正アクセスは、主に「共有フォルダに侵入」と「バックドアソフトの活動」の二つで、どちらも簡単に対策できる。
 LANを構築している場合、他のパソコンとファイルを共有するための「共有フォルダ」を利用しているだろう。ここで、共有フォルダにパスワードを設定していないと、同じプロバイダーを利用する他のユーザーも簡単にアクセスできてしまう。また、ウイルスの中には、共有フォルダを探して、そこにウイルスを感染させるものがある。共有フォルダには必ずパスワードを設定しよう。
 さらに、共有フォルダへの不正アクセスを完全に防ぐにはルーターを設置するのが有効だ。インターネットとLANの間のフィルタとして、共有フォルダに関するものを遮断してくれる。
 次はバックドア対策だ。これは、外部から自分のパソコンがコントロールされてしまうソフトのこと。ウイルスと同様にメールの添付ファイルを開くか、HPからダウンロードしたときに組み込まれてしまう。
 バックドアは、ウイルス対策ソフトがあれば、パソコンに組み込まれる前に除去されるので心配はない。もし、ウイルス対策ソフトで防げなくても、ファイアウォール機能を使えば、バックドアの通信を遮断できる。

ホームページ編

HPを閲覧していて遭遇するトラブルは、少し注意を払えば避けられるものばかりだ。例えば、リンクをクリックしたら、新しい画面が次々と開くブラウザ・クラッシャー(ブラクラ)は、ブラウザの便利機能を悪用した「いたずら」の一つだ。これを怖がって便利機能をオフにしてしまうと、HP閲覧が不便になる。安心してHPを楽しむためにも、まずはトラブルの起こる仕組みをしっかり押さえ、対策方法を覚えよう。
 閲覧中にリンクをクリックするだけで起こるトラブルとして、前述のブラクラや、悪質なプログラムがパソコンに組み込まれ、勝手にモデムがダイヤルアップすることが挙げられる。こうしたリンクはアダルトサイトや、掲示板にもサイトを紹介する書き込みと一緒にリンクが貼られている場合がある。
 リンクをクリックして「18歳以上は『はい』を押してください」といった画面や、「exe」という拡張子が付いたファイル名のプログラムをダウンロードする画面が開いたときは要注意。どちらも『はい』をクリックすると、ダイヤルQ2や国際電話につながるダイヤルアップ設定が勝手に作られる。この設定のまま接続を続けてると、後で高額の請求が来ることになるので、勝手に作られたダイヤルアップ設定は必ず削除しよう。また、既存のダイヤルアップ設定の電話番号だけを書き換えてしまうこともあるので気を付けたい。なお、主流となりつつあるADSLやCATVを利用してインターネットに接続している場合には、このようなトラブルは起こらない。アナログ回線やISDN回線でダイヤルアップ接続している方は要注意だ。
こうした認証画面は「Active(アクティブ)X」という機能を使っている。これに関する設定は、IEの場合「インターネットオプション」で変更できるが、ダイヤルアップ先を変えるような悪質なアクティブXだけを使用不可にすることはできない。便利な機能までオフにするよりは、「年齢チェック」画面が出ても「はい」を押さないように心がけよう。
次に、ブラクラはあまりにも多くの画面が開くので、ウインドウズがフリーズすることもある。しかし、特に悪質なプログラムが組み込まれるわけではないので、開いた画面を閉じればOKだ。次々に画面が開くので、画面右上の「×」をクリックして閉じても追いつかない時は、「Alt」+「F4」キーを何度も押して画面を閉じよう。マウス操作よりも素早く画面を閉じることができる。
ブラクラは「Java(ジャバ)スクリプト」という機能を使っている。ジャバスクリプトもアクティブXと同様にHP閲覧を便利にする機能で、ブラウザの設定を変更して、ジャバスクリプトをオフにすれば、このようなトラブルは防げるが、使い勝手も悪くなる。むしろ、怪しいリンクをクリックしないことで対処したい。

スパイウェア対策

パソコンの動きが悪くなる原因は様々で、例えば、周辺機器の変更を重ねて古いドライバが残っている、常駐ソフトが増えてメモリの容量に余裕がない、大量のデータが保存されてハードディスクの空き容量が少ないなどなど、この他にも考えられる要因はたくさんある。ウイルスなどの悪意のあるプログラムがいたずらして不調になっていることも考えられ、この場合、最悪のケースではパソコンが使用不可能に陥ることもある。今回は、そういったプログラムの一種「スパイウェア」を見てみる。

スパイウェアには2種類の性質のものがある

スパイウェアとは、インストールされていることや動作していることに気付かない状態で、自動的にパソコンの中から情報を送信するプログラムのことを言う。スパイウェアのすべてが悪質なものというわけではなく、明らかに情報を盗み取ることを目的として、ユーザー名やパスワード、メールアドレスといった個人情報を送信する機能を持つものもあり、インターネットに接続しているパソコンにとっては怖い存在といえる。
スパイウェアは、「インストールしたソフトウェアに組み込まれているもの」、「知らないうちに自動的にインストールされてしまうもの」の2種類に分類できる。このうち、インストールするソフトウェアに組み込まれている場合には、そのソフトウェア会社に利用状況や障害情報などを送信することを目的としていることが多く、個人情報を収集することが目的ではない。この場合のほとんどは、インストール時の使用許諾に情報を送信する機能を組み込む説明が記載されている。
しかし、インターネットで公開されているものをダウンロードした際に、知らないうちにインストールされてしまうタイプや、ホームページを閲覧しただけでダウンロードされてしまうタイプ(アクティブXなど)のスパイウェアについては、自分のパソコン内のどんな情報が誰に対して送信されているかということさえ分からない。ブラウザの履歴を追跡して個人情報を勝手に収集したり、ポップアップ広告を表示する、クレジットカード番号を盗み出すなど、被害の軽いものから深刻なものまで様々な種類があり、大量のスパイウェアに侵入されることで、パソコンが不調になる可能性がある。
このようなスパイウェアから防御するために、スパイウェアを除去するためのソフトウェアが登場している。一般的な総合セキュリティソフトでは、ウイルス対策機能、パーソナルファイアウォールに加えて、スパイウェアの除去機能を搭載したものもあるため、これらのソフトウェアを導入するのは必須。加えて、スパイウェア専用の対策ソフトを導入すると、より効果的だ。

セキュリティソフトを最新版にすることが必須

最新のセキュリティソフト、例えば「ノートン インターネットセキュリティ」や「ウイルスバスター」にはスパイウェア対策機能が搭載されている。もし、今使用しているセキュリティソフト古いものなら、まずは最新のものにバージョンアップすることをおすすめする。ただし、これだけでスパイウェア対策が「100%大丈夫」とは言い切れない。そこで、スパイウェアに特化したソフトを併用すると、より効果が高まる。ここでは、悪質なプログラムが侵入するのを予防するフリーソフト「スパイウェアブラスター」を見てみる。
前述のセキュリティソフトの「リアルタイム監視」に似ていて、このソフトは感染したスパイウェアを除去するのではなく、悪質なホームページからのアクティブXの侵入を防ぎ、クッキー(Cookie)の追跡によるパスワードの漏えいを遮断する効果がある。定義ファイルを更新する以外にはソフトを起動する必要がなく、パソコンの動作速度が低下しないというメリットがある。ただ、英語表記なので、苦手な方には少々抵抗があるかもしれない。

スパイウェアを駆除するソフトを併用し効果的に対策

上記の対策をとったにもかかわらず、スパイウェアに侵入されると、パソコンの動作が遅くなるなど、何らかの不調が引き起こされる可能性がある。もし、気になる症状がある場合には、原因となっているプログラムを駆除するしかない。前述の通り、最新のセキュリティフトの中には、スパイウェア予防・駆除の機能が含まれているものもあるが、1本のソフトですべてのスパイウェアを駆除できるとは限らない。
そこで、日々増え続ける新種のスパイウェアに対抗するには、スパイウェア駆除ソフトを併用するとよい。前述の「スパイウェアブラスター」はパソコンの動作をリアルタイムで監視し、スパイウェアの侵入を防ぐ「常駐型」。既にハードディスクに潜んでいるスパイウェアをスキャン(検知)して駆除する「非常駐型」として「スパイボット サーチ&デストロイ(pybot Search & Destroy)がある。
この「スパイボット サーチ&デストロイ」は非常駐型のソフトでは、フリーソフトながら高い駆除率を誇る。日本語表示に対応しているので操作しやすく、総合セキュリティソフトのリアルタイム監視機能とも併用できるのでオススメだ。この他にも様々なスパイウェア対策ソフトが存在するので、好みのものを見つけてみるといいだろう。