人間もパソコンも猛暑対策は不可欠 ダウンさせず寿命をのばそう!

人間にとってもパソコンにとっても猛暑は辛い。24時間空調の効いた環境があればいいが、現実はそうはいかず、やはり暑い環境にさらされてしまうのがほとんどだろう。何らかの暑さ対策(熱対策)は不可欠になってくるわけで、パーツ交換といった上級者向きではなく、今回は誰でもできる簡単な方法を見ていきたい。

人間だけでなくパソコンも猛暑でダウンする

埼玉県熊谷市や岐阜県多治見市で40.9度を記録したのが2年前の2007年8月。昨年は40度オーバーこそなかったものの、7月末にやはり多治見市で39度まで上昇するなど、今は1年のうちで最も気温が上昇する時期となる。人間が熱中症でダウンするのと同様に、パソコンも暑さでダウンする。仕事や日常生活で当たり前のように使っているパソコンは、実は超精密機器であることを忘れていないだろうか。現在は熱対策もある程度しっかりしており、古いパソコンのように熱暴走(エラー頻発、勝手に再起動、突然電源落ちるなど)は少ないかもしれないが、それでも高温の時期に対策なしで使用するのは寿命を短くするし、ダウンさせる可能性を高めてしまう。

ついついやってしまう事例

そこで、まずはパソコンの配置を工夫し、少しでも風通しの良い環境を作ろう。複数のパソコンを密接に並べてしまったり、狭い空間に本体を押し込んでしまうのは良くない。ファンの近くにモノを置くのもご法度だ。モニターやプリンターなどの周辺機器との接近も避けたい。ノートパソコンは膝の上や布団の上に置いて使うこともあるだろうが、放熱効果を下げる原因となるため、できることなら机やテーブルといった固い場所で使い、かつ、本体との間には空間を設けたいところだ。ノートパソコンの場合、不意に本体裏面を触ったときに熱いと感じたことがあるだろう。もちろんデスクトップでも同じように発熱しているわけで、どれくらいの高温になっているのだろうか。

フリーソフトで温度を測ってみる

発熱するのはCPUや電源、そしてハードディスクとなり、フリーソフトを使ってハードディスクの温度や使用時間などの状態を調べることができる。「HDDスマートアナライザー」や「スマートチェッカーミニ」などいくつかのソフトがあり、それらの中でも「クリスタルディスクインフォ」はUSBで接続した外付けHDDの状態も表示してくれる。左上部に各HDDの温度と「正常」といった健康状態が表示されている。適正温度は40~45度、動作が保障されているのは55度程度なので、あまりにも高温になっている場合は何らかの冷却対策をしよう。また、健康状態や項目に表示されている数値からHDDの交換時期を判断することもでき、壊れる前に対応できる。

少しの設定変更でなるべく電気を使わないようにする

HDDなどの温度は作業をしている時はもちろんのこと、何も作業をしていなくても、通電していれば上昇してしまう。そこで、一定時間パソコンを使わないときは「スタンバイ」に移行するように設定しておこう。「スタート」→「コントロールパネル」→「パフォーマンスとメンテナンス」→「電源オプション」で、「システムスタンバイ」を10~20分に設定しておけば、無駄な通電を抑えられる。休止状態よりも復帰が早いのでスタンバイの活用はオススメだ。一緒に「モニタの電源を切る」の時間設定をしておけば電気代の節約にもなる。スクリーンセーバーよりも「スタンバイ」と「モニタの電源を切る」の組み合わせが有効だ。

温度を下げてハードディスクの寿命を延ばそう

HDDの温度が高温になっている場合、HDD以外のパーツももちろん高温になっている可能性が高い。パソコン本体の周囲、特に冷却ファンの近くにはモノを置かず、風通しの良い環境を作るのは前述のとおりで、1000円程度で購入できるクリップ式扇風機や、USB対応のミニ扇風機で風を当ててやるだけでもだいぶ効果がある。ノートパソコンの場合は、ファン付きの冷却台を使うのもいいだろう。また、本体の冷却ファンの回転数を制御できる「スピードファン」というフリーソフトがある。これを使ってファンの回転数を100%に設定しておくのも1つの方法だ。いずれにしても、パソコン本体内の温度を下げるのは大切で、ハードディスクの寿命を延ばすことにもつながってくる。

(写真1)
このように複数のパソコンを並べて置くなど、発熱するものを近くに置く、風通しを悪くする置き方は避けたい。また、背面の冷却ファン付近をモノで塞ぐのはご法度だ

(写真2、3、4)
「クリスタルディスクインフォ」は外付けHDDの情報も表示してくれる。温度はもちろんのこと「健康状態」の表示も親切だ。「スマートチェッカーミニ」や「HDDスマートアナライザー」も同様のソフト。ベクターや窓の杜でダウンロードしよう

(写真5)
電源オプションのプロパティで「スタンバイ」に入るように時間設定をしよう。こうして不要な通電を切ることで、温度の上昇を抑え、加えて節電にもなる。

(写真6)
USB電源で動くグリーンハウスの首振り扇風機。もとは人間用のものだが、これをPCに向けて使ってみよう。