落札相場データを上手に使うエクセルの基本ワザ! ピボットテーブル+α編

前回はオートフィルタとピボットテーブルについて述べたが、今回はピボットテーブルについてもう少し触れてみる。落札相場データに限らず、エクセルに溜め込んだデータを集計・加工するのにピボットテーブルはとても重宝するので、少々難しいかもしれないが、是非ともマスターしていただきたい。

ピボットテーブルのおさらい

まず、簡単にピボットテーブルの機能をおさらいしておこう。ピボットテーブルは大量のデータを集計するのに便利な機能で、落札相場データを加工するにはうってつけと言える。
ダウンロードしたデータを用意したら、画面上部のメニューから「データ」→「ピボットテーブルとピボットグラフ レポート」をクリック。ウィザードに従って進んでいくと、新しいワークシートにピボットテーブルの枠が用意される。行、列、データそれぞれに項目をドラッグすることで、簡単に集計できるというわけだ。前回の例では、行のフィールドに「車名車種」、列のフィールドに「総(合評価点)」、データアイテムに「(落札)金額」をドラッグし、評価点ごとの平均落札金額を見てみた。
ただ、これだけでは全メーカー、全排気量が混ざった状態で表示されるので、少々見難い面がある。そこで、まずは「メ(メーカー)」を行のフィールドの「車名車種」の前に入れてみよう。すると、メーカーごとに車名が分類される。この手順で、「排気量」などを加えていくと、さらに分類されて見やすくなる。

ピボットテーブルの便利な機能

ピボットテーブルが便利なのは、この集計機能だけではない。前述の例の、行のフィールドに「車名車種」、列のフィールドに「総」、データアイテムに「金額」が設定されている状態で、金額が表示されている部分をダブルクリックしてみよう。すると、そこが「マジェスティ250C」だった場合、マジェスティ250Cのデータだけが抽出された新しいワークシートが追加される。特定の車種だけを見たいときには、「オートフィルタ」を使ってデータを集合させる方法もあるが、ピボットテーブルからのほうが簡単だ。
また、見出し部分にある「▼」ボタンから、データを絞り込むことも可能だ。「▼」ボタンをクリックするとリストが表示され、チェックすることでデータ表示のオン・オフができるようになっている。オートフィルタでも特定車種や排気量だけのデータを集合表示させることができるが、あくまでも「データの集合」。ピボットテーブルは「集計結果の集合」が可能なので、例えば、全メーカーの250ccクラスの平均単価を見るといった使い方ができる。

ピボットグラフで視覚的に見やすく

例えば、マジェスティ250Cの評価点比率を円グラフで、平均相場の月別推移を折れ線グラフで、会場別の落札台数比率を棒グラフで見たり・・・と、数字が並んだ表組みよりも、グラフのほうが視覚的に見やすい場合がある。そんなときは「ピボットグラフ」を使う。
あらかじめピボットテーブルで、マジェスティ250Cの平均落札金額などを出しておく。そして、ピボットテーブルのツールバーで「ピボットグラフ」をクリックすると、新しいシートにグラフが作成される。作例では、低値、平均、高値の開催日による推移を折れ線グラフで表示させてみた。単月ではなく年間のデータを使用し、関数で開催日を「月」に変更した上で同様のグラフを表示させると、年間の月別推移がわかり、1年のうちでどの時期が高値、低値になるのか一目瞭然となる。
グラフ上では、フィールドリストから項目を横軸やデータにドラッグすることで、簡単にグラフの内容を変更することが可能。また、ベースとなっているピボットテーブルを変更すれば、グラフも自動的に変更される。

ちょっと高度な「アクセス」も

複雑な関数も併用することで、例えば「この相場なら、買い取り価格はこれ、下取り価格はこれ」といった設定、算出や、さらに深い統計、分析も可能なエクセル。単に落札相場データから直近の相場を見るだけなら、前述の通りピボットテーブルを使うことができるようになれば、グンと集計作業がはかどる。また、エクセルで物足りなくなってきたとう方には、一歩進んで、同じマイクロソフトのデータベースソフト「アクセス」を使うという手もある。こちらは、大げさな言い方になるが「システムの構築」作業が必要になるので、それなりの時間と知識が不可欠。日常業務をこなしながらアクセスでの作り込みは難しいかもしれないので、よほど好きな方ならご自身で、または知識のあるスタッフに任せるなどして活用してみるといいだろう。
今まで数回に渡って落札相場データの活用について述べてきたが、ショップによってデータの使い方は様々だろう。しかし、説明してきたエクセルの使い方は応用できるので、その活用方法によって色々と試していただきたい。

(データの抽出1、データの抽出2)

ピボットテーブルでデータを集計した状態で、集計結果(ここではマジェスティ250Cの平均額)をダブルクリックすると、新しいシートにマジェスティ250Cのデータが抽出される。オートフィルタで集合させる方法もあるが、こちらも便利。

(レイアウト変更1、レイアウト変更2)

ピボットテーブルのツールバーの「レポートの書式設定」で、レイアウトを変更できる。モノトーンからカラーにもできるので見やすさが増す。作例は、メーカー、排気量で分類した各車種の相場を表したもの。

(ピボットテーブルの絞り込み)

ピボットテーブルの項目名にある「▼」ボタンをクリックするとリストが表示される。チェックのオン・オフで絞り込みが可能だ。250ccクラスだけの相場を見たいときは、全てのチェックを外してから、「250cc」にのみチェックを入れる。

(ピボットグラフ1、ピボットグラフ2)

ピボットテーブルでデータを集計し、ツールバーの「ピボットグラフ」をクリックすると、新しいシートにグラフが作成される。作例は、低値、平均、高値の推移を折れ線グラフで表したもの。