ウェブソフトのグーグルドキュメント&フリーソフトのオープンオフィスでどのパソコンでもワード・エクセルを

オフィスソフトというとマイクロソフトの「オフィス」がほぼ標準といった状態だが、この他にも閲覧、編集できるツールがいつくかある。今回は、それらの中でもウェブソフトの「グーグルドキュメント」と、無料オフィスソフト「オープンオフィス」を見てみる。完全な互換ではないが、基本的な作業は十分こなし、使用環境によって使い分ければ、どんな場所、どのパソコンでも作業が可能となる。複数台のパソコンを所有、または外出が多いショップなどは是非参考にしていただきたい。

ブラウザー上でワード・エクセルを

ブラウザーでワードやエクセルのファイルを閲覧、編集できる「グーグルドキュメント」。ウェブソフトのひとつで、グーグルのアカウントを取得すれば誰でも利用可能だ。グーグルドキュメントには「文書(=ワード)、「スプレッドシート(=エクセル)、「プレゼンテーション(=パワーポイント)」の3種類が含まれ、使い勝手はオフィスソフトとそれほど変わらない。パソコンの性能やインターネットの回線速度に多少影響されるが、普通に使っている分には動作にストレスを感じることはないだろう。パソコン内のワード、エクセルといったデータもアップロードでき、フリーのオフィスソフト「オープンオフィス」のファイルにも対応している。あらかじめファイルをアップしておくと、インターネットネット環境が整っていれば、他のパソコンからも作業を続けられ、また、ファイルを共有することも可能なので、複数のスタッフで閲覧、編集できるのはとても便利だ。車両情報やショップ独自の買取価格など、店舗で情報更新、遠隔地でスタッフがリアルタイムに閲覧できる。

比較的利用頻度が高い3種類

まず「スプレッドシート」を見てみる。これは簡易版のエクセルといった感じで、単純なデータの保存、計算、グラフ作成などに限定して利用がベストだ。マクロには対応していない。パソコン内にある「落札データ」をアップロードし、閲覧、編集する方法を例にしてみると、画面左上部の「アップロード」からファイルを選択する。この際、ファイルの種類や容量に制限があるので注意しよう(カコミ参照)。アップロードが完了するとファイルが開かれ、閲覧、編集が可能。このまま上書き保存できるのはもちろんのこと、「ファイル」→「エクスポート」の順に進むと、CSV(カンマ区切り)、HTML、PDFといった別形式での保存も可能だ。「文書」はワードと同じ感覚で文章を入力でき、また、文字のサイズやフォントの変更、装飾もある程度までは可能だ。極端な装飾はできないが、通常の文書を作るのに最低限の機能は備わっている。「プレゼンテーション」は、自分のパソコンから画像をアップロードして挿入したり、図形を使うこともできるので、それなりに表現力のあるプレゼンテーション用のデータが作れる。どれも、あくまでもウェブソフト、簡易版的な使い方がベストだ。

「共有」や「公開」でもっと便利に

グーグルドキュメントの便利な機能にファイルの「共有」がある。メイン画面で共有したいファイルにチェックを入れ、「共有」をクリックすると、「招待状」の送信画面が現れる。招待状(メール)の受信者には、ファイルの保存場所を示したURLが知らされる。不特定多数に公開されるのではなく、招待状(メール)によって制限されているので安心感がある。この「共有」機能は、最大で200人が1つのファイルを共有できるほか、「文書」「プレゼンテーション」は同時に10人、「スプレッドシート」は同時に50人が編集できるようになっている。
「その他の操作」内にある「公開」は、自分のファイルを見てもらえるが編集はできない機能。メイン画面で公開したいファイルにチェックを入れ、「その他の操作」→「公開」と進む。次画面で「ドキュメントを公開する」をクリックするとURLが表示されるので、これを教えればよい。公開停止も同様の手順でできる。ファイルの内容が編集してよいものなのかどうかによって、共有や公開を使い分ければよいだろう。

オープンオフィスも試してみよう

無料のオフィスソフト「オープンオフィス」は、マイクロソフトの「オフィス」と高い互換性を持っている優れたソフト。ダウンロードページからソフトをダウンロードし、インストールするだけで、6種類のソフトが利用できる。ライター(ワード)、カルク(エクセル)、インプレス(パワーポイント)の他、描画ソフト「ドロー」、データベースソフト「ベース」などが含まれ、まさに「オフィス」いらずといった感じだ。操作画面も大きな差はなく、それほど戸惑うことなく作業ができるはずだ。もともと「オフィス」が付属されているパソコンには不要だが、ネット専用機などとして安価に購入した中古パソコンにインストールしておくといいだろう。また、USBメモリーにインストールできるポータブル版もあり、これを持ち歩くことで、オフィスソフトがインストールされていないパソコンでもワード、エクセルでの作業ができる。前述のウェブソフト「グーグルドキュメント」と合わせ、用途によって上手に使い分ければ、マイクロソフトの「オフィス」なしでも十分事足りる。