1つの質問からニーズを読み取る Q&Aサイトの活用

ここ数年で利用者が急増している「Q&Aサイト」。質問と回答に特化していることから、インターネットの検索や掲示板での質問よりも、自分が求めている回答を得やすく、また質の良い回答を見つけやすいことが人気の理由のひとつだろう。こういった有益な情報が集まったサイトをバイクショップが使わない手はない。今回はQ&Aサイトの利用と、質問内容を別の角度で活用する方法を見てみる。


質問・回答するに特化したサイト
インターネットを使って何か調べ物をするとき、ヤフーやグーグルといった検索サイトを使う機会が多いはずだが、数十ページもある膨大な検索結果の中から、目的の内容を探すのに苦労することが多いのではないだろうか。そんな時、「Q&Aサイト」を使う方が早く答えを見つけられる可能性もある。Q&Aサイトとは、その名のとおり質問とその回答に特化したサイトで、「OKWave(オウケイウェイヴ)」や「Yahoo!知恵袋」といったサイトが代表的なものとなる。
簡単に説明すると、「掲示板」という表現は不適切かもしれないが、テーマ別の掲示板に似たようなサイトで、投稿された質問に対して、任意の誰かが回答するというもの。1ページに1つの質問で構成されており、回答は1つだけではなく複数寄せられることが多い。こういった、サイトの運営者(管理者)が「仕組み」を用意し、ページの閲覧者による書き込み・投稿によってコンテンツが充実していく次世代のホームページのあり方が、一時期話題となった「Web2.0」のひとつで、代表的なQ&AサイトはまさにWeb2.0的な存在といえる。

「お礼」があるのが特徴のQ&Aサイト
では、Q&Aサイトの概要を見ていこう
すでに投稿されている質問や回答は検索で閲覧可能。また、どのサイトも独自でカテゴリーに分類しているので、例えば、バイク、パソコン、ビジネス別といったジャンル別に質問の一覧を見ることもできる。
閲覧だけではなく、自分自身も質問、回答するには会員登録が必要となる。取り上げたどのサイトも無料で登録が可能となっているので、試しに1つ登録しておくのをおすすめする。「教えて!goo」や「MSN相談箱」は「OKWave」をベースとしているので、3つのうちのいずれかに登録すればいいだろう。「Yahoo!知恵袋」はヤフーのIDを持っていれば利用登録をするだけでOK。メインのIDを公開したくない場合はニックネーム(別ID)の公開も可能だ。
質問に対する「お礼」のシステムがあるのもQ&Aサイトの特徴で、ポイントの付与やベストアンサーを選ぶなど、回答者の回答意欲をそそる面白い機能といえる。良回答を心掛け、「こちらに詳しい情報があります」と自店のHPのURLを貼った回答がベストアンサーに選ばれるようにすれば、効果的に誘導することも可能となる。ただし、「商売」を全面に出すようなやり方は逆に敬遠されるので注意しよう。

ショップならではの活用
さて、これらのQ&Aサイトはどのように活用できるだろうか?
すでに回答が締め切られた質問を参考に、独自の回答を自店サイトに掲載し、ページボリュームを増やすのもいいだろう。また、「はてな」ではトラックバックが可能なので、回答につながる記事を自店のブログにアップし、トラックバックすることでアクセス数アップにつなげることも可能だ。ただし、トラックバックスパムと見られないよう注意が必要だ。
さらに、店内のディスプレイにも活かすことができる。仮に「アドレスV125とシグナスXのどちらがいいでしょうか?」という質問を見つけたとしよう。これらの車両を隣に並べ、これに対する自分なりの回答を在庫車両に貼り付ければ、十分な販促ツールとなる。
もう1つ、「身長150cmの女性ですがオフロードバイクに乗りたいです。どうしたらよいでしょうか?」という質問があったとしたら、「女性向け、身長が低い方向けのローダウンカスタムのサービスをスタートしました!」と、従来行ってきたサービスであったとしても、あえて目立つようにPRしていくのもいいだろう。
来店するユーザーの「生の声」に勝るものはないだろうが、Q&Aサイトの1つの質問からユーザーのニーズを掴むこともできるし、自店サイトのアクセス数アップのヒントや、実務面での新たなサービスのきっかけを得ることができるだろう。質問や悩み相談は、見方を変えれば積極的なニーズの表れでもある。情報収集としてこういったQ&Aサイトを定期チェックするのも大切だ。