「やらせ」で浮上してきたステルスマーケティング 悪質なステマと疑われないPRを!

「食べログ」の「やらせ」問題が話題となり、「やらせ」の口コミ投稿業者の存在が明るみに出た。口コミの集客効果の高さを狙い、口コミを装ったやらせの投稿が、宣伝には見えない宣伝行為=ステルスマーケティングではないかということで、このキーワードも同時に話題となっている。こうした問題をうけ、今後のショップのPR方法を再考しておきたいところだ。

ナガティブなイメージの「ステマ」とは

有名グルメサイトの口コミ、ランキングの「やらせ」問題が話題となり、ここで浮上してきた「ステマ」というキーワード。「ステマ」とは「ステルスマーケティング」の略で、ひと言で言い表すと「宣伝と気付かれないように宣伝すること」である。どういうことか?
インターネット内に限定して話を進めると、具体的には、バナー広告は誰が見ても明らかな宣伝であるが、個人のブログで「とある商品」の紹介をしているのは、本当に個人の感想や意見をもとに投稿したものなのか、それとも、商品の宣伝を目的に投稿したのか分かりにくい。というか、ほとんど分からない。それを狙ったのがステルスマーケティングで、口コミ、ランキング好きの日本人の気質を上手く突いた宣伝方法と言える。宣伝なのかどうか分からない宣伝方法ゆえに、ステルスマーケティングそのものがネガティブに捉えられているが、今回の「やらせ」問題と混同しないようにしておきたい。アルバイト・パートを雇い、あたかも実際に飲食したような口コミや投票をさせる「やらせ」投稿させていた業者が問題なのだ。実際、こういった業者は多数存在し、「食べログ」以外のサイトでもやらせが蔓延していると言われており、残念ながら、口コミサイトの信頼度が下がってしまったと言わざるを得ない。

線引きが難しく、どこからがタブーなのか不明瞭

ステルスマーケティングそのものに目を向けてみる。有名人や人気ブロガーのブログで何らかの商品やサービスが紹介されているとする。もちろん、ひと言書くだけで反応や影響は大きいのは明白だ。それを狙い、金品を提供した上で、いち個人の感想として商品やサービスをブログ上で紹介させるのは、宣伝と気付かれないように宣伝するステルスマーケティングに該当するだろう。
また、アフィリエイトでも同様のものがある。特定のキーワードやリンクを文章の中に入れ、ブログに投稿することで数百円の報酬が得られるシステムがあり、バナー(リンク)をクリックして課金されるタイプ、バナー(リンク)を経由して購入・契約されると課金されるタイプとは異なる。これも、一見すると宣伝・広告には見えないため、一種のステルスマーケティングと見ることができる。
さらに、ネットではないが、雑誌で見られる記事広告も、欄外に「広告ページ」ですと断りを入れていても、体裁を他の本文と似せているため、広義のステルスマーケティングとする見方もあり、線引きが難しいのが実態。なので、安易に「ステルスマーケティング=悪い」とするのは早計と言える。ただ、ショップのスタッフがユーザーのふりをしてショップの宣伝をするのは、間違いなくタブーなステルスマーケティングだろう。

バイクショップならではのPR

幸か不幸か、グルメサイトに似たバイクショップ紹介サイトはほとんどないため、口コミやランキングによる評価を受けることはない。逆に言えば、積極的にインターネットを使って誘導し、アクセスアップを狙いたい方にとっては、その誘導経路が飲食店と比較して少ないということになる。
そうは言っても、「教えて!バイク屋さん!」といったコンテンツを有効に活用することで、ショップのPRは十分可能となる。他のバイク関連のポータルサイトも同様だ。
また、代表的なQ&Aサイトとして「OKWave(オウケイウェイヴ)」や「人力検索はてな」、「Yahoo!知恵袋」が挙げられるが、こういったサイト内での回答をショップへの誘導につなげることもできるはずだ。ただ、できることなら個人ではなくショップであることを公表した上で、さりげない回答がベター。例えば、「おすすめのパーツはありますか?」という質問に対し、「ここにあります!」と直接ショップへ飛ばすような書き込みはあからさますぎて、逆に敬遠されてしまう可能性が高い。そのバランスをよく考えた回答を心がけよう!
何はともあれ、ベストなのは実際のユーザーにブログやSNS等でショップを紹介してもらうこと。相互リンクを促進するようなサービスを展開していくのも効果的だろう。

食べログ
食べログ

業者による「やらせ口コミ」の被害を受けた「食べログ(http://tabelog.com/)」。今回の発覚は氷山の一角で、口コミサイト、ランキングサイトのやらせ書き込みは相当数あると言われている。「食べログ」側は携帯電話による認証制度を導入し、やらせ対策を強化した。

回答者であるショップ名が表示され、もちろんショップページへの誘導もされるため、積極的に活用しておきたい。これ以外にもショップのPRにつながるサービスはいくつもある。

OKWave
OKWave

複数のポータルサイトが導入しているQ&Aサイトの「OKWave(http://okwave.jp/)」。回答するには登録が必要。プロフィールでショップ名やホームページを公開しておけば、さりげないPRにつながるはず。いかにも宣伝と感じられるような回答は敬遠されるので注意が必要。

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