携帯サイトは必須になるか?! 急速な利用者増をうけ、ショップのモバイル対応を進めよう

インターネットの利用というとパソコンからのイメージが強いかもしれないが、実は携帯電話をはじめとしたモバイル端末からの利用が急速に増加している。これは、大手のインターネットサービスが携帯対応になっていることからも明らかで、パソコン環境を前提としたページに加え、これからは携帯用ページの公開も必須になってくるはずだ。

モバイルの現状

2007年11月では約9997万台だった携帯電話の契約台数は、翌12月には1億台を突破。2008年12月現在では約1億583万台となっている。これにPHSの契約数約457万台を加えると、1億1000万台の「ケータイ」が使われていることになる(参考:電気通信事業者協会)。ここで、インターネットの利用状況を見てみると、携帯電話・PHS・携帯情報端末からの利用者は7287万人で、パソコンからの利用者数7813万人とほぼ同数と言っていい程の数字となっている(総務省・平成19年通信利用動向調査)。平成19年の数字なので、平成20年の集計では逆転している可能性も十分ある。高速データ通信が可能な3G端末の普及と、パケット定額制によりケータイからのインターネットの利用は急速に高まっており、今すぐにでも、ホームページ運営者はパソコンのみならずケータイへの対応も考えなければならない。

ショップとしてのモバイル対応

おそらく、パソコンでの閲覧を前提としたホームページの他に、ケータイ専用のものを用意しているショップは少数ではないだろうか。しかし、前述のとおり、ケータイからのインターネット利用は増えており、若い年齢層ほど「ケータイがメインでパソコンは2次的利用」という傾向がある。そういったケータイ世代を逃さないためにも、また、ケータイへの依存度が高い既存ユーザーのためにも、モバイル用ページを用意しておく必要がある。身近なホームページ作成ソフト「ホームページビルダー」では、PCサイトを携帯サイトに一括変換できる機能などを備え、モバイル用ページの作成に対応しているので、ショップスタッフがホームページを作成しているのならば、こういったソフトを活用してみるといいだろう。後述するが、あえてモバイル用ページを設けなくても、携帯に対応したブログやSNSのサービスを活用することで、上手く代用することも可能だ。

携帯サイトならではの制約

ムーバブルタイプ(Movable Type)やワードプレス(WordPress)に代表されるCMSを使ってホームページを運営しているなら、プラグインの導入で比較的ラクにモバイル対応が可能だろう。しかし、CMSを使っていない場合、新規でモバイル用ページを追加していくのにはそれなりの労力を必要とし、またパソコン用ページ以上に制約が多い。例えば、キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)によって仕様が異なるため、それぞれの特徴を把握しながらページを作る必要がある。また、メーカー、機種、世代によっても画面サイズが異なるし、対応する画像の形式も違うので、実に複雑。そして何よりも、1ページあたりの情報量がパソコンと比べて極端に少なくなるため、これを考慮した内容とナビゲーション作りはパソコン用ページとまったく異なり、一番頭を悩ませる。これらの問題を簡単にクリアできるのがブログサービスの利用となる。

無料ブログの活用で省力化

無料ブログサービスの利点は、携帯各キャリアに対応した表示が可能なことと、ネット環境が整っていればパソコンからも携帯電話からも更新・管理ができる点だ。既存のページはあまりアクセスがない、更新にかける時間を少しでも減らしたいという方なら、いっそのことメインの運用を無料ブログに移行してしまうのもひとつの方法だ。ブログというと時系列的、日記的なイメージが強いかもしれないが、テンプレートの修正で時間的な要素は排除できるし、コメントやトラックバックを停止させる機能も備えているので、ブログっぽくないブログ、一見すると普通のホームページのようなブログを作成することもできる。有名人の利用が多く、アクティブユーザー数も他を圧倒するアメーバブログ、機能豊富なFC2ブログ、初心者にもオススメなライブドアブログなど、どれも携帯からの投稿が可能。カスタマイズ性などは実際に使って確かめてみるといいだろう。