「思い出せない・・・」とならないためのID・パスワード管理

インターネット上のサービスを利用する際、必ずと言っていいほど必要となるIDとパスワード。どんどん増えるにもかかわらず、管理が疎かになって、久しぶりに使おうとしたときには「IDとパスワード」が思い出せない・・・といったことになっていないだろうか。今回はそれらの管理と、「オープンID」について触れてみる。

「あ、パスワード忘れた」

様々なサイトで提供されるサービスを利用する際に、必ず必要となるIDとパスワード。ブログやSNS、ウェブメール、ネットショッピング、ネットバンキングなどなど、どれも「IDとパスワードを入力しログイン」というアクションが発生する。普段よく利用するサービスなら、まず忘れることはないだろうが、登録したもののほとんど使っていないサービスでは、見出しのように、どうしてもIDやパスワードが思い出せないといった経験が少なからずあるはず。登録時に送信されてきた確認メールも見当たらず、走り書きしたメモもどこへやら・・・。自分の記憶だけが頼りという状態では、いざという時に困ってしまう。

そこで、原始的かつ確実な方法は、サービスの利用登録をする度に、IDとパスワード、サイト名とURLをプリントアウト、または専用のノートを用意し書き込んでおくこと。おそらく、これに勝る方法はないだろう。ただ、不特定多数の人に見られないよう、確実に保管しておかなければいけないのは言うまでもない。

パスワードの管理の工夫

前述のアナログ的な保管方法を実践した上で、さらにひと工夫した保管方法はないだろうか? プリントアウト用に入力する際にはワードやエクセルなどを使うだろうが、それをそのままパスワード一覧としておこう。ただ、この一覧を誤って削除してしまう可能性も考えられるので、1つのID・パスワードにつき1ファイルで保存しておくとリスクが減る。

また、メールで管理する方法もある。IDやパスワードを入力したメールを「自分宛」に送信しておくことで、受信メールの一覧(アウトルックエクスプレスでは受信トレイ)から検索できるので探しやすくなる。件名に決まったキーワードを入れておき、メールソフトのフィルター機能を使えば、自動的にフォルダに振り分けることもできるので整理もラクだ。さらに、宛先を間違って送信してしまわないように、送信せずに「下書き」のままにしておくのもいいだろう。いずれにしても、探しやすいタイトル(件名)をつけておくのが肝心だ。

フリーソフトで簡単管理

ID・パスワードは、フリーソフトを使えば簡単・便利に管理できる。ここではベクターや窓の杜でダウンロードできる「ID Manager(IDマネージャー)」を紹介する。インストールしてソフトを起動すると、IDやパスワード、サイトのURLを入力・登録できるようになっている。画面上で登録したURLを開き、ワンクリックでIDとパスワードを自動入力できるのでとても便利だ。また、タスクバーに常駐させておけば、右クリックでこれらのアクションを実行することができる。

便利な機能に「パスワード自動生成」がある。IDやパスワードは自分自身が覚えやすいよう、どうしても同じような内容に偏ってしまいがちなので、自動生成機能はとても助かる。また、保存したIDやパスワードはCSV形式やXML形式で出力が可能なので、新規でサイトを追加する度にバックアップしておけば安心だ。今までのID・パスワード整理用に使ってみてはいかがだろうか?

オープンIDで統一

サイトAとサイトBという2つのサイトに会員登録している場合、通常ならば、その2つのサイトのIDとパスワードは異なるもののはずだ。それぞれIDとパスワードを覚えないといけないわけだが、「OpenID(オープンID)」に対応したサイトならば、ひとつのアカウントでそれぞれのサイトにログインできるので便利だ。まだまだオープンIDに対応したサイトは少ないものの、ライブドアやヤフー、ミクシィなどでオープンIDを発行できるので、簡単に見ておこう。

まず、発行サイトでオープンIDを発行。よく利用するサイトから発行すればいいだろう(例ではヤフー)。次に、オープンIDに対応したサイトのログイン画面を見てみると(例ではチョイックス)、通常のID・パスワードの入力欄の他に、「オープンIDでログイン」する項目があるはずだ。ここに発行されたURL形式のオープンIDを入力することで、ヤフーのID・パスワードでチョイックスを利用できる。こういったオープンIDがあることも覚えておいていいだろう。