ハードディスクはいつ壊れてもおかしくない! 損害を少なくする事前準備と対応

最近、パソコンを起動する時間がとても長い、動作が異常に鈍い、突然青い画面になったことがある、などという症状がある場合、もしかしたらプログラムデータの破損、または、ハードディスクそのものに異常が発生している可能性がある。完全に起動しなくなる前の対処と、起動しなくなった場合の復旧について見てみる。

ハードディスクが壊れたら1日潰れます

いきなりだが、アナタのパソコンはいつ壊れてもおかしくない。特に、大多数を占めるウインドウズXPユーザーの場合、使用年数・時間が長いものもあるため、故障する可能性はなおさら高い。ひと口に壊れると言っても色々な個所が挙げられるので、ここではHDDに限定すると、もしデータが壊れた場合、容量にもよるが、エラーチェックだけでも数時間。これだけで復旧すればラッキーな方だ。復旧の見込みがなく、新しいHDDを用意してウインドウズを再インストール、インターネットに接続できる環境を整え、更新プログラムをダウンロード。さらに、今まで使用していたソフトをインストールとなると丸1日潰れることになる。ショップの運営も一人で切り盛りしている経営者であれば、日常業務がまったくできなくなってしまうというわけだ。同じ作業を外部に委託した場合は数万円コース、もし、HDDそのものが物理的に壊れてしまっていて、そこからデータを復旧させるのに専門業者に依頼すると10万円、20万円は当たり前だ。

このように、HDDまたはデータが損傷すると時間的、金銭的な負担はとても大きい。万が一データが復旧できなかった場合、業務に大損害となる可能性もあるだろう。以下、自分でできるデータ復旧と、最悪の場合に備えたデータ管理について見てみる。

データ復旧ソフトを試してみる

もし、データの破損によってパソコンが起動しなくなった場合、ウインドウズ標準のチェックディスク(スキャンディスク)機能で再度使えるようになる可能性がある。ただ、エラーチェックやり過ぎによってデータの破損を進めてしまう可能性もあるので、「ダメもと」で試してみよう。調子の悪いパソコンからHDDを取り外し、USB接続のHDDケース(別途購入しておく)に入れ、作業用の別のパソコンに接続。外付けのドライブとして認識されれば標準のエラーチェック機能を試すことができる。もし、ドライブとして正常に認識されない場合は「ファイナルデータ」というデータ復旧ソフトが効果的だ。認識されないHDDからも、かなり高い確率でデータを復旧させることができる。頻繁に使うものではないが、万が一のための保険として、こういったデータ復旧ソフトを購入しておくといいだろう。

また、「HDDリジェネレーター」という不良セクタを復旧できるソフトがある。こちらもドライブとして認識されないHDDに有効で、ソフトメーカーによれば60%の確率で不良セクタを回復してくれる。日本語表記には対応していないが、操作はそれほど難しくない。これを使ってドライブが認識されるようになったら、必要なデータを抜き出し、新しいHDDに移行すれば安心だ。

データの保存は別ドライブ&バックアップは定期的に!

万が一HDDが壊れてもいいように、日頃からの対策として2つのポイントがある。1つはデータの保存先、もう1つはバックアップだ。

通常、パソコンに内蔵されているHDDは1台(Cドライブ)で、ここにOS(ウインドウズ等)、プログラム(オフィスソフト等)、データがすべて保存されるが、内蔵型でも外付けでも構わないのでHDDをもう1台用意し、データの保存先はCドライブとは別のHDDにしておこう。大容量のUSBメモリでもよい。そうすれば、もしCドライブがおかしくなり、ウインドウズを再インストールしたとしても、データは生かしておくことができる。また、別のパソコンにも同じソフトをインストールしておけば、そのHDDを接続することで、今までどおり使うことができる。

さらに、外付け等のHDDにCドライブを丸ごとバックアップしておけば、調子が悪くなった時の再インストールの手間を省けることができる。HDDを購入する際は、少々高くてもバックアップソフトを同梱しているものを選んでおこう。バックアップは毎日しなくてもよいが、定期的に実施すべきだ。

この外付けHDDも前述のファイル復旧ソフトも1万円前後で購入でき、データやHDDがクラッシュした時の損失を考えれば安いものだ。

【ハードディスク】
これがハードディスクの中身。円盤に針と昔のレコードプレーヤーを思わせる。物理的・機械的に壊れた場合も専門業者で復旧可能だが、料金は数十万円になることも。日頃から大切なデータをバックアップしておくことで、金銭的・時間的負担を減らすことができる。

【ファイナルデータ】
高い復元力を誇るデータ復旧ソフトの「ファイナルデータ」。ダウンロード版が割安で購入できる。単純に誤って消してしまったファイルはもちろんのこと、ウインドウズが起動しなくなったパソコンもCDやUSBメモリから起動し、必要なデータを復元できる。

【外付けハードディスク】
外付けHDDの一例(写真はバッファローの製品)。容量1TB(テラバイト)でも1万円程度で購入できる。オフィスソフトを初めとしたソフトで作成したファイル、デジカメの画像などはすべて外付けHDDに保存しておけば、Cドライブがおかしい、パソコンが起動しないといった場合でも安心。また、Cドライブを丸ごとバックアップしておくとより安心だ。

【エラーチェック】
ウインドウズ標準のエラーチェックでも修復できる可能性がある。調子が悪いパソコンからHDDを外し、USB接続できるケースに入れ、別のパソコンに接続。各ドライブのプロパティから「ツール」タブで「エラーチェック」を行う。症状によってはエラーチェックに失敗することもあるが、エラーチェックを過度に繰り返すことで、データの破損を進めてしまうこともあるので注意。

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