パスワードを設定しパソコンやデータの安全管理

ショップや事務所にパソコンを置いている方は多いだろうが、仕事用とユーザー用など、用途に応じて複数台を使い分けているケースは稀ではないだろうか。仕事用の1台を不特定多数の人が使用する場合に不安なのが、データ流出やウイルスに対するセキュリティ面。今回は、「パスワード」でパソコンやデータを守る方法を見てみる。

まずは何より「ログオンパスワード」設定を

安全管理の第一歩として、パソコン起動時のパスワードを設定しておこう。方法は「コントロールパネル」→「ユーザーアカウント」からパスワードを作成・変更するアカウントを選択。「パスワードの作成」で設定が可能だ。ただし、セーフモードで起動し、「Administrator(アドミニストレーター)」でログオンすると、作成したパスワードを削除できるので、アドミニストレーターのパスワードも設定しておかないと、少々知識のある人には簡単にログオンされてしまうので注意。とりあえず、これでパソコンの電源を入れる段階での基本的な安全は確保できるので、まずはログオンパスワードからだ!

スクリーンセーバーにもパスワードを

仕事始めに一度パソコンの電源を入れてしまえば、数時間使わないからといって、わざわざ電源を切ることはほとんどないだろう。日常、パソコンを使用している最中に、ちょっと席を離れることはしばしばある。そんな時にのぞき見されたり、何かの操作をされないようにスクリーンセーバーが動くように設定しておこう。煩わしいからといってスクリーンセーバーを解除する方も多いだろうが、不特定多数の人が出入りする場所にパソコンを置いている場合は設定しておいた方がベスト。同時に、「パスワードによる保護」をしておけば、ログオンパスワードと同じパスワードでスクリーンセーバーを解除する設定にできる。「画面のプロパティ」で「スクリーセーバー」タブをクリックし、「パスワードによる保護」にチェックを入れておこう。

万が一パスワードを忘れた場合は「セーフモード」で

冒頭でも少し触れたが、もし、ログオンパスワードを忘れた場合は「セーフモード」で起動すれば、パスワードの削除・再設定が可能となる。セーフモードで起動するには、パソコンの電源を入れてから「F8」キーを押すと「拡張オプションメニュー」が表示される。そこで「セーフモード」を選択すればOKだ。その後、ユーザー一覧画面で「Administrator(アドミニストレーター)」と既に設定されているユーザー名が表示されるはずなので、アドミニストレーターをクリックしてログオン。あとは、前述の方法でパスワードを削除・変更すればよい。アドミニストレーターのパスワードも忘れずに。

更なる安全管理にUSBメモリでロック

今まで述べたログオンパスワードやスクリーンセーバーの設定は基本中の基本。これだけでももちろん効果はあるが、さらに安全にしておきたいという方にはUSBメモリの併用をおすすめする。USBメモリというと手軽に携帯できるデータの保存・移動用ツールとしての使い方がメインかもしれないが、パソコンの「鍵」としての使い方もできる。具体的には、設定したUSBメモリを挿さないとパソコンを操作できないようにロックをかけることができる。「Black Barn(ブラックバーン)」や「USB TOOLS(USBツールズ)」、「PCLock USB(PCロックUSB)」などのフリーソフトを使用するとよい。

USBメモリにも暗号化・パスワード

USBメモリの主な使用方法がデータ保存の場合、万が一、紛失した場合にデータを見られたり盗まれたりすると困るだろう。それが個人情報の場合には責任問題にも発展しかねない。現在発売されているUSBメモリには暗号化ソフトが付属されているものが多いので、それを使用することをおすすめする。また、暗号化ソフトはフリーソフトとしてダウンロードできるものもあるので、セキュリティ機能のないUSBメモリを使用している場合には、ぜひダウンロードしておこう。例えば、「アタッシュケース」なら世界標準の暗号アルゴリズムを採用しており、パスワードを入力しない限り解読できないようになっている。

圧縮ファイルでパスワード

前述の暗号化ソフトはパソコンからUSBメモリへのデータコピー以外に、パソコン内だけでの使用ももちろん可能。もし、パソコンそのもののログオンパスワードを破られたりして、不正に使用されたとしても、大切なファイルを暗号化して保存しておけば安心だ。さらに簡単にファイルを守る方法としては、圧縮ファイルにパスワードをかける方法も挙げられる。ZIP形式で圧縮することでパスワードをかけることができ、解凍する場合にはもちろん設定したパスワードが必要となる。別途にソフトをインストールすることなくファイルを守れるので、大切なファイルはZIP形式で圧縮しておくのも1つの方法だ。