突然の停電対策にはノートPC併用やUPSの導入 さらに省電力設定で節電を心がけよう!

大震災による停電や電力不足による計画停電、今夏の企業の電力使用制限など「電気」に関する話題は尽きない。業務に不可欠なパソコンも電気がなければ「ただの箱」だし、使用中に停電になるとダメージを受けるケースもある。そこで今回は、パソコンの停電対策と節電について見てみたい。

ちょっと異なる「スタンバイ」と「休止状態」

パソコンでの節電対策というと、まずは「スタンバイ」と「休止状態」の活用だろう。どちらも一時的に電源が切れているように見えるが、少々状態が異なる。「スタンバイ」はCPUやハードディスクの電源をオフにするが、メモリの電源はオンのままにしておき、作業中の状態を保存しておくモードを言う。ワードでお知らせを作成中に接客しなければならなくなった場合、「スタンバイ」にしておけば入力途中から作業を再開できる。通電状態のメモリから電源オフになる前の状態を復旧させるため、短時間で起動できるのが特徴だ。対して「休止状態」とはメモリの内容をハードディスクに保存してから、すべての電源をオフにするモードで、作業途中の内容が保存されるのは「スタンバイ」と同様だ。「スタンバイ」と「休止状態」はメモリに通電されているか、それとも全てが電源オフになるかの違いで、再開時に少々時間はかかるが節電効果が高いのは「休止状態」となる。

「スタンバイ」と「休止状態」の設定

一定時間でこれらのモードに入るようにしておけば効果的に節電できる。「電源のプロパティ」で何分後にスタンバイ・休止にするか、電源ボタンを押した時にどのモードに入るか、休止状態を使うかどうかを設定できる。ウインドウズ7の場合は「スタンバイ」が「スリープ」となっており、「コントロールパネル」→「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」で詳細の設定が可能だ。この時、モニター(ディスプレイ)の電源を切る時間も設定しておくとよい。どちらかと言えばパソコン作業が多い場合、前述の設定時間を短くし過ぎてしまうと、頻繁に電源オフ&復旧を繰り返すことになってしまい煩わしい。「電源設定」にいくつかの選択肢があるので、この中から電源オフになるまでの時間が短いものを選び、その時間設定を少し短く変更する程度にしておけばよいだろう。パソコン作業が少ない場合は、短時間で休止状態に入るようにしておいてもよい。

不測の停電に備えたパソコン管理

4月8日現在で、東京電力の計画停電は「原則不実施」となったが、また、いつ停電になるか分からない。これは関東圏のみならず全国に言えることで、不測の停電に備えたパソコンの管理が必要になってくる。前述の「休止状態」を数分で入るように設定しておけば、こまめに電源オフになるため、突然の停電でも安心だ。ノートパソコンの場合はバッテリーを内蔵しているため、停電に対して神経質になる必要はない。もし、デスクトップパソコンしか所有していない場合は、サブパソコンとしてノートPCを一台用意しておこう。いっそのこと、メインをノートPC、サブをデスクトップPCと環境を変更してもいいかもしれない。ただ、ノートPCの場合はバッテリーの寿命が短くなっている場合もあるため、バッテリーリフレッシュサービスを利用して復活させておくか、社外の互換バッテリーを予備に用意しておくと良いだろう。

UPSを使えば突然の停電でも慌てずに対処可能

停電時の電源確保にはUPS(無停電電源装置)を活用する方法もある。UPSとは一種の外部電源で、電源タップのような小型タイプから、デスクトップパソコンと同じくらいの大型のものまで様々ある。突然停電になったとしても、内蔵されているバッテリーから電気を供給してくれるので、作業中にパチッと電源が落ちることを防ぎ、パソコンに与えるダメージを低減できる。最低限パソコン本体とモニターの電源を確保すればよいが、購入する場合はあまりにも小型なものは避け、出力容量が大き目のものを選ぼう。UPSはパソコンのみならず他の電化製品でももちろん使用可能なので、停電になると不通になってしまう光電話を導入している場合は、光電話用のモデム(ルーター)に小型のUPSをつなげておけば、しばらくの間は電話を使うことができる。携帯電話の充電にも活躍するので、今後、UPSは必須の周辺機器になるかもしれない。

電源オプションのプロパティ
ウインドウズXPの電源オプションのプロパティ画面。電源設定タブで何分後にスタンバイに入るか等を設定できる。休止状態タブで休止状態を使うかどうかを変更できる。

ウインドウズ7の電源オプション
ウインドウズ7の電源オプション画面。「電源プラン」は「省電力」にしておき、さらに、その標準設定から少し時間を短くすればベストだ。

ツクモのバッテリーリフレッシュサービス
ツクモのバッテリーリフレッシュサービス(http://www.tsukumo.co.jp/refresh/)。純正の新品を買うよりもお得。この他、社外の互換バッテリーや、大容量の外付けバッテリーを用意しておく方法もある。


小型のUPSであるAPCのBE-325JP。実売価格4~5000円程度で手軽に導入できる。パソコンよりも消費電力が少ないモデム等に最適だろう。


オムロンのBY50S。ある程度出力容量があり、付属のソフトでパソコンから管理できる。実売価格2万円弱だが、大切なメインパソコンを守ると思えば安い買い物ではないだろうか。