かなりの猛暑だった今年の夏。暑さで参ってしまうのは人間だけでなく、パソコンも一緒。突然ダウンしたり、徐々に調子が悪くなったりと、いつ使えなくなってしまうか分からない。仕事でもプライベートでも、パソコンの利用頻度が高まれば高まるほど、壊れてしまった時のダメージは大きい。しかし、もし壊れてしまっても、重要なデータを別に保存しておけば安心! そこで今回はデータのバックアップについて触れてみよう。
ある日突然パソコンが不調になった、という経験はないだろうか? 長年使用したハードディスク(HDD)が原因だったり、ウイルスに侵されたとか、落雷にあったとか・・・。いずれにしても、本来の状態を取り戻すためには修復作業が必要になってくる。しかし、100%修復できるかというと、そうとは限らないのが悲しいところ。やれHDD交換だ、Windows(OS)の再インストールだと、今まで保存したデータが消えてしまう運命にもなりかねない。こうした最悪の場合を想定して、日頃から「バックアップ」をしておくと安心だ。
さて、バックアップとは一体何だろうか? 簡単に言えば、必要なものをコピーしておくこと。例えば、エクセルで作った顧客名簿があるとすると、これは大変「重要なもの」のはず。通常ならマイドキュメントに保存してあるだろうが、これを「別の場所」にコピーしておくというわけだ。ここで「重要なもの」というと、
- ワードやエクセルなど自分で作成したファイル
- デジカメで撮影した画像
- 受信、送信したメール
- メールアドレス
- インターネットエクスプローラー(IE)の「お気に入り」
- 会計ソフトや顧客管理ソフトなどの入力データ
- ログインのIDやパスワードなどの設定情報
などなど、挙げればキリがない。パソコンでTV録画をしている方なら、その動画ファイルもバックアップの対象となるだろう。どのようにパソコンを利用しているかによって、バックアップしておくべきものは多少変わってくるので、それぞれ自分にとって何が重要なのか確認しておこう。次に、これら「重要なもの」をどのようにバックアップするか、具体的に見てみよう。
ファイルサイズの小さいもの
自分で作成したワードやエクセルのファイルなど、容量が大きくないものならフロッピーディスク(FD)でも十分可能。ただ、何枚ものFDを使うのは効率が悪いし、今時の方法とは言えない。パソコンにCD-Rドライブが装備されているなら、CD-Rにバックアップしよう。1枚当たりの容量が640MBや700MBとFD約500枚分に相当し、画像以外のファイルなら、マイドキュメントの中身が丸々収まってしまうだろう。さらに、書き込みのみのCD-Rに対し、CD-RWならFDのように書き換えが可能なので、こちらを利用すると、もっとバックアップが便利になる。ただし、これにはCD-RWに対応したドライブが必要だ。もし、手持ちのパソコンにCD-R/CD-RWドライブが装備されていない場合は、外付けタイプの購入をオススメする。
ファイルサイズの大きいもの
最近のデジカメは高画質になり、画像1枚のファイルサイズが1MBを超えるのは当たり前。そうなると、必然的に前述のCD-R/CD-RWへバックアップすることになる。もし、最新のDVD-Rドライブ搭載のパソコンを持っているなら、DVDに保存するほうがさらによい。1枚の容量が4.7GBと、何とCD6~7枚分に相当するので、数枚でHDDの中身を全てバックアップすることも可能だ。これから新たに外付けのドライブを購入するなら、このDVDとCDの両方に書き込みができるマルチタイプがベストだろう。
マイドキュメントに保存されていないもの
受信・送信したメール、メールアドレス、ブラウザのお気に入り、会計ソフトなどへの入力データなどは、それぞれ独自の場所にデータが保存されているため、マイドキュメント内には見当たらないはず。これらはソフトによって名称は様々だが、「エクスポート」(バックアップ)という機能を使って、一度マイドキュメントに保存しよう。あとは、前述の通りCD-RなどにコピーすればOK! エクスポートの方法は、例えばIEの場合、「ファイル」→「インポートおよびエクスポート」でウィザードが開始するので、それに従って進んでいけばよい。会計ソフトなども必ずバックアップ機能は装備しているので確認してみよう。
ログインのIDやパスワードなどの設定情報
インターネット上のサービスを利用する際に、必ずと言っていいほど必要なIDとパスワード。登録した際に郵送されてくるものもあれば、メールで送られてくるものもある。この場合、メール自体をバックアップしていないと、データが消えた際にID&パスワードが分からなくなってしまう。そこで、ワードやエクセルで「ID&パスワード集」を作りプリントアウト、そしてCD-Rなどにバックアップしておくと良いだろう。さらに、メールソフトの設定情報や、ホームページのアップロードに使うFTPの情報なども一緒に保存しておけば安心だ。
以上を簡単にまとめてみると、パソコンの中の重要なファイルは、外の記録媒体に保存(コピー)しておくのがバックアップなのだ。
こうしておけば、万が一のトラブルにも慌てることなく対処でき、とにかく安心。
さらに、HDDの容量が少ないパソコンを使用している場合は、バックアップしたファイルをHDDから削除してしまうことで空き領域が増え、多少パソコンの動きも快適になる。
もし、HDDの容量に不満があるなら、いっそのことHDDを増設するのも1つの手だ。
120GBの外付けタイプが1万5000円程度で購入できる。
パソコン上級者なら内蔵タイプのものを増設してもいいだろう。
作成したファイルや画像は全て増設HDDに保存すれば、ある意味バックアップの役割も果たす。
仮にパソコン側のHDDが壊れてしまっても、増設した外付けHDDがデータを守ってくれるというわけだ。
壊れたパソコンを修復した場合、または新たにパソコンを購入した場合も、この外付けHDDをコードで接続するだけというのは、とにかく手軽。
筆者は複数のHDDを接続し、それぞれを目的別に使い分けている。持ち運びも可能なので、外出先のパソコンで作業する場合もかなり便利だ。
市販のソフトを利用すれば、HDDの中身をそのまま増設したHDDにコピーすることも可能なので、個人的には一番のオススメだ。
もっと他にもバックアップの方法はあるのだが、今回はパソコン初心者の方にも手軽にできる方法を紹介した。
最後に、バックアップは定期的に実行しないと意味がなくなってしまう。
バイクと一緒で、定期的にメンテナンスするのと、壊れるまで放っておくのとでは、最悪の事態になった時の手間の掛かり方が断然変わってくる。
毎日とは言わないので、週に一度はバックアップをするように心掛けてみよう!