キーワードは「クレーム」。 ネット販売のクレーム対応と「ノークレーム」表示の意味

店頭販売でも、インターネットを利用した通信販売でも「クレーム」はつきものである。ただ、販売した商品に対しクレームを言ってくるユーザーもいれば、言ってこないユーザーもいる。クレームを言ってきたユーザーへの対応次第で、そのユーザーが次回も買い物をしてくれるリピーターとなるか、それとも二度と買い物をしてもらえない今回限りのユーザーとなるか、このどちらかに二分化されてしまうのは明白だ。

ショップの対応に不満を感じる理由として「対応が遅い」「その場しのぎな感じ」など、「誠意が感じられない」というものが挙げられる。ショップの対応に満足してもらえれば、今回はトラブルになってしまったものの、リピーターとなってくれる可能性は高まる。クレームを言ってこなかったユーザーはどうだろう。残念なことに、そのほとんどが「もう二度と買わない」と思ってしまっている可能性が高い。

トラブルはないにこしたことはないが、未然に防ぐよう最大限の努力をするのが当然である。しかし、人間は間違いを起こしてしまうもの。その際に、ユーザーが何らかのアクションを起こす、つまり「クレームを言ってきてくれるかどうか」を重視しよう。

で、クレームを言ってこないユーザーには、どう誠意を示せばいいのだろうか。ここで大切なのが、自店のホームページがクレームを言いやすい作りになっているかどうかということ。売りっぱなしではなく、何かあったときのために、問い合わせやクレームの窓口を設け、商品発送の際には、「商品に関するお問い合わせ先」を明記したお礼状を同封するといった気遣いが必要だ。クレームに対する風通しを良くしておくこと自体がショップの責任であり、ユーザーに対する誠意なのである。

クレームは「やっかいなもの」と考えがちだが、トラブルを起こしてもなお、ユーザーが「満足」と感じる誠意ある対応ができれば、実はマイナスどころか絶好のチャンスとなる。そして、トラブル後はユーザーの意見を積極的に取り入れて、サービスに反映させていく。結局、それがトラブルを未然に防ぐ結果にもつながっていくのだ。

トラブル対処の基本はコレ

とにかく速やかに
トラブルが発生したら「とにかく速やかに対応する」ことが大切。ユーザーにショップの誠意を伝えるには、些細なことでも後回しにせず、迅速な対応が一番。

電話で誠意を伝える
インターネットでの通信販売だからといって、メールだけでのお詫びは厳禁。必ず電話で直接お詫びするべき。ショップ側の誠意も伝えやすくなり、同時にユーザーの感情も和らぎやすくなる。

対応方法を明確に
お詫びをする際、トラブルに対するショップ側の対応方法を明確に伝えよう。ユーザーが一番気になるのは、謝罪の言葉より「どうなるのか?」だからだ。

今後の方針も伝える
せっかく購入してもらった大切なユーザーなのだから、今後の具体的なショップの方針や対策まで話し、同じトラブルは起こさない旨を伝え、リピートしてもらう努力が必要。

「ノークレーム・ノーリターン」ってどうなの?

ここまでは、クレーム対応の基本を述べた。あくまでもトラブル発生後の話が中心になったが、これからは、取り引き前にクレームをシャットアウトしてしまう意味で使われる「ノークレーム・ノーリターン」について触れよう。

ネット通販やオークションサイトで、ユーザーが中古商品、仮にタンクを購入または落札したと想定しよう。その取り引きで発生するクレームとして「“新品同様”と商品の情報欄に紹介されていたが、実際に送られてきた商品は傷だらけだった」というものが考えられる。

画像と実物のタンクとの間に、多少の見え方の違いがあるのは、ウェブ上であれば十分可能性はある。ディスプレイをはじめとしたパソコン環境によって、商品の見え方はまちまちになってしまうからだ。

今回のケースの場合、もし、実際にユーザーに届いたタンクが、一般の人から見て明らかに違うものであれば、民法上の詐欺に該当し、ユーザーは契約を取り消すことができる。あるいは、そのような傷がなければそのタンクを落札しないのが通常であると考えられるような場合には、錯誤に基づく契約であるとして契約そのものが無効になる。そして、ショップ側は、詐欺・錯誤による契約の取消・無効を主張され、返品・代金の返還を内容証明郵便等で請求されることになる。

ここで、よく商品の情報欄に見受けられる「ノークレーム・ノーリターン」(クレームは受け付けない)という記述。この表記をすることで、返品・返金の請求を受けずに済むことができるのだろうか。
「ノークレーム・ノーリターン」は、オークションサイトや、まれに中古品を販売するサイトの商品説明欄に表記する、ある意味「決まり文句」的なものになっている。確かに、中古品である以上、新品とは異なり、常識的に考え得る範囲の傷については、ユーザーも承諾しなくてはならない場合もあるだろうが、どのような傷でも甘受しなければならないという意味ではないのだ。したがって、「新品同様」という説明が明らかな虚偽であるような場合には、「ノークレーム・ノーリターン」という言い分は認められないわけである。

また、個人売買ではなく、二輪販売を営む「業者」である以上、消費者契約法が適用され、ユーザーにウソや事実と異なることを言う「不実告知」や、利益になることだけ言って、不利益になることを故意に言わない「不利益事実の不告知」に基づき、契約の取消を主張される場合もある。

自店のHPやオークションサイトでの「ノークレーム・ノーリターン」表記には注意が必要だ。仮にトラブルが発生しても、前段で述べた対処法を念頭に置き、マイナスをプラスに変えてイいくことが、ネット販売の成功の秘訣だ。

消費者契約法

不実告知
商品やサービスの内容、価格について事実と異なることを告げ、ユーザーはそれを事実と信じて契約した場合
(例)走行距離1万kmと説明され中古バイクを契約したが、他の整備工場でみてもらったところメーターが取り替えられており、実際の走行距離は3万kmだった など

不利益事実の不告知
ユーザーに利益な事実のみを告げ、不利益な事実は故意に告げなかったために、不利益な事実はないものと信じて契約した場合
(例)「今契約をすれば、半年間エンジンオイル無料」との広告を見て購入したが、走行1000kmを超えると適用されないことや、莫大な交換工賃がかかるのがわかった など

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