自己防衛を心がけよう! 手軽ゆえに危険性もあるUSBメモリー

安価に購入できるようになったUSBメモリー。差し込むだけで使える手軽さと、邪魔にならない大きさから、多くの方が使用していることだろう。あちこちのパソコンを行き来するUSBメモリーの特性と、自動実行機能を悪用したウイルス感染があるのはご存じだろうか? 紛失した際の情報漏洩と合わせてUSBメモリーならではの危険性がある。今回は簡単な対策方法を見てみる。

手軽で便利なUSBメモリー

メーカーやブランドを問わなければ、8GBで1500円~、16GBで3000円~と安価に購入でき、データ保存機器として身近な存在となったUSBメモリー。GB単価は少々高めだが、大容量の32GBも7000円~8000円で入手でき、ひと昔前のハードディスクと同容量を簡単に持ち運びできるというわけだ。メールで送信するにはちょっとファイル容量が大きすぎて、700MBあるCD-Rに書き込むのはもったいないという場合にも重宝するし、逆にCD-Rに入り切らない多数の画像を保存するものいいだろう。こうしてUSBメモリーを別のパソコンに挿し込み、データの移動やコピーはもちろん、そのまま作業もできるわけだが、そこには危険もある。

手軽ゆえに危険もいっぱい

その危険とはウイルスや紛失だ。ウイルスの感染経路はメールの添付ファイルやホームページの閲覧、または外部からパソコン内への不正侵入などがあるが、今ではUSBメモリーによる感染の危険もあるのだ。これは、ウイルスに感染したパソコンにUSBメモリーを差し込み、その時に表示される「実行する動作を選択」する画面で何かを選択するだけでウイルスがUSBメモリー側に保存され、そのUSBメモリーを別のパソコンに差し込み、同様の操作をすると別のパソコンも感染するというものだ。また、今さら言うまでもないが、USBメモリーを紛失した際に、第3者にデータを見られる、盗まれるという危険もある。どちらのケースも自己防衛は必須だ。

USBメモリーウイルスの対策

では、USBメモリーウイルスに感染しない、させない方法はないのだろうか。まず、USBメモリーの自動実行機能を停止してしまおう。通常、そのままUSBメモリーを差し込むと、実行する動作を選択する画面が表示されるが、この一覧から選んで作業を進めるとウイルスに感染してしまうので、「Shift」キーを押しながらUSBメモリーを差し込もう。こうすると、選択画面は表示されない。開くときは「マイコンピュータ」からUSBメモリーを右クリックし「エクスプローラ」で表示させよう。また、USBメモリーの「プロパティ」から「自動再生」タブで「混在したコンテンツ」に切り替え、「実行する動作を選択」は「何もしない」に設定を変更しておけば安心だ。

紛失に備えたデータプロテクト

どんなに気を付けていても紛失しないとは限らないため、万が一のために備えて、データを守っておく必要がある。そこで便利なのが「USBドライブ・セキュア・ツール」というフリーソフト。これを使えば、USBメモリー内にパスワードと暗号化で保護できるフォルダーを作成可能だ。細かい手順は省略し、USBメモリー内にソフトがインストールされ、「SECRET」というフォルダーが作成されたら、ソフトを起動しパスワードを設定。するとこのフォルダーが表示されるので、この中に保護したいファイルを入れておく。取り外すときにはタスクトレイのアイコンをダブルクリックすると暗号化される。再度表示させるときはソフトを起動し、パスを入力するだけだ。

紛便利なものを安心・安全に

この他にも、「USBメモリーのセキュリティ」といったソフトもあるので試してみてもいいだろう。また、ウイルスに関しては、セキュリティソフトでまめにウイルススキャンを実行しておくとか、USBメモリー内にインストールできるウイルス対策ソフトもあるので、外部のパソコンに挿した後には必ずチェックするようにしてもよい。「風邪」と同じでどこでもらってしまうか分らないため、ウイルス対策ソフトの併用は効果的だろう。少々高価になってしまうが、最新のUSBメモリーならウイルス&セキュリティ対策済みのものも発売されていて、指紋認証機能を備えたものもある。とても便利なUSBメモリーだから、安心、安全に活用したいところだ。

(写真1)USBメモリーを挿し込むとこの画面が表示される。ここで何らかの動作を選択するとウイルスに感染する可能性が。

(写真2)「マイコンピュータ」からUSBメモリーの上で右クリックし「エクスプローラ」から開くようにすれば感染を防げる。

(写真3)USBメモリーの「プロパティ」から「自動再生」タブで「混在したコンテンツ」に切り替え、「実行する動作を選択」を「何もしない」にし、USBメモリーを挿し込んだ時の自動実行を停止しておこう。

(写真4・写真5)「USBドライブ・セキュア・ツール」のインストールで、USBメモリーは「取り外し可能」と表示される。USBメモリー内にインストールされたソフトを起動し、パスワードを設定すると、専用のフォルダーが表示されるので、その中にファイルを保存する。

(写真6)外部のパソコンに差し込んだ後は、ウイルス対策ソフトでまめにスキャンするよう心掛けよう。

(写真7)バッファローの指紋認証機能付きUSBメモリー。8GBで実売価格2万7000~と高価だが紛失時の安全性は高い。

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